UGUG・GGIのかしこばか日記 

びわ湖畔を彷徨する独居性誇大妄想性イチャモン性前期高齢者の独白

円周率から遠く離れて、なぜか北朝鮮問題について最新のお勉強・・・

2018-04-19 01:29:57 | 日記
昨日は円周率という、理解できなくても命に別条がない、考えようによってはどうでもいいと申しますかいくら考えてもどうしようもない問題についてグダグダと意味なきことを書いてしまいました。が、しかし、円周率の真実がどうであろうとも、またスキャンダルまみれの超低レベルの日本の政治状況がどうであろうとも、世界は日々動いているのです。ですから、今日は今や世界の注目の的である北朝鮮問題について少し記します、でも、新聞記事から丸写しの手抜き話であります。

阿部政権の対北朝鮮政策は、単純、とにかく北朝鮮は怖ろしい危険で邪悪な国、敵視するしかない国、キム君は悪魔のようなヤツ、だからとにかく圧力、圧力、圧力という、政策の名に値しないまことに中身に乏しいスローガンだおれの硬直したものです。

でもみなさんのご承知のようにあっという間に北朝鮮情勢はアベ君の思惑なんかすっかり置き去りにして激変しつつあります、南北首脳会談、初の米朝首脳会談と、これまで予想もされなかったことが現実になろうとしています。

そうは言っても、GGIも含めて多くの日本人の平均的な北朝鮮観はいぜんとして、北朝鮮はミサイルを勝手にぶっ放したりする恐くて何をしでかすか分からない危険な国、キム君は何を考えているのか分からない信用できない人物、といったところでありませう。多くの日本人がこのように感じていることの一つの原因は、北朝鮮に関する情報はたくさんあっても、情報源の如何にかかわらず、政治的バイアスがかかっていない正確な情報が極めて少ないことにあるものと思われます

などと考えておりましたら、昨日4月18日の朝日新聞に「動く朝鮮半島:なぜ核開発 理解が大事 / ペリー元米国防長官が講演」という小さな記事が掲載されていました。11日に東京都内で行われて講演会の記事です。講演を行ったウィリアム・ペリー氏は今年90歳、かつて黒船で日本にやって来たペリー提督の末裔です。カーター政権時代に国防次官を務め、その後クリントン政権時代に国防長官を務めていたという経歴の持ち主です。ペリー氏は国防長官に就任したときに、北朝鮮の核問題に直面した経験があり、政界から退いた今、自身の最後の役割は「核なき世界」の実現であると考えているという人物です。

ペリー氏は講演でなかなか注目すべきことを語っていました。

以下はこの新聞記事からの引用です。 
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過去(北朝鮮との核放棄についての失敗に終わった3回の交渉など)の成功と失敗からどんな教訓が得られるか。私が学んだ四つの教訓で最も大事なのは、なぜ北朝鮮が核を開発するのか理解することだ。われわれが「抑止力」と呼ぶように、北朝鮮も自らの安全保障を得ようとしている。

第2の教訓は、北朝鮮は独裁国家で国民を残酷に扱っているが、クレージーではないことを知ることだ。かれらは体制維持するために合理的に行動する。

第3に彼らはイデオロギーにとらわれず、現実的な行動をする。合意事項に拘束されず、目的達成のために他の方法があると思えば乗り換える。

4番目の教訓は、北朝鮮にとって経済は重要で、改善させたいと思っているが、そのために彼らが安全保障を失う交渉はしないということだ。経済制裁で北朝鮮は苦しんでいるが、それから逃れるために核開発をあきらめるような交渉はしない。彼らは経済的メリット以上に体制保障と国交正常化など長期的な国家関係に関心を持っている。経済だけで考えると我々はミスを犯す。
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このように述べたあと、ペリー氏は、米朝会談が成功するか否かは五分五分、外交から軍事に振れる可能性があり、その場合は破局的な結果を招く・・・先制攻撃を主張する人はチェスのプレーヤーとは言えない。最初の一手が最終的にどうなるか理解していない人たちだ、と警告を発しています。

さて、みなさんはペリー氏の「教訓」をお読みになってどのようにお感じになるでありませうか

このペリー氏の意見を読んでいてGGIが驚いたのは、ペリー氏が挙げた四つの教訓の内容の多くが、かつて公安調査庁で北朝鮮情勢に関する情報の分析を専門としていた、坂井隆という人物の北朝鮮に対する見方と少なからず共通点を有していることでありました。

坂井氏はたとえば「正恩氏は、メチャクチャの思いつきではなく、合理的な判断で国家を運営しています。国内的には科学教育の充実や植林の奨励などもやっており、内政を無視した冒険主義と見るのは誤りです」と述べています

また、「正恩氏は核とミサイルの開発を進めるだけで国防はもういいと考えていると思います。かれらは(他国からの攻撃を)抑止するために核を持とうとしています。安心を手に入れたうえで経済政策に力をそそぐつもりでしょう。このような考え方を3年前、核開発と経済建設を同時に進めるという『並進路線』と称して打ち出しました」とも説明しています。

さらに38度線付近で軍事的衝突については「これまで哨戒艇が沈没させられても大砲を打ち込まれても戦争にならなかった。南北は歴史的に、軍事境界線付近では(多少のいざこざがあっても戦争までは決してしない)一種の認識を共有しています」としています。

また坂井氏は以下のようにも述べています

「核を持つ北朝鮮が実際どれだけ脅威なのかを考える必要があります。『何をするか分からない』と怖がるのでしょうが、北朝鮮は一定の合理性を備えています」

「ところで北朝鮮は、自由民主主義という観点からは最悪の社会かもしれないが、識字率や公衆衛生、インフラ建設などは他の貧困国よりは優れています。北朝鮮を多角的、冷静に見極めることが重要です」

坂井氏の北朝鮮についての見方は2016年4月26日の朝日新聞で一ページを割いて報じられており、GGIはその内容と感想を2016年9月13日の日記に書いておりますので関心をお持ちの方はご覧になってください。GGIは坂井氏の記事を読んで、日本にもこのような冷静で優秀なインテリジェンスがいることに、それも公安調査庁にいたことを知って、いささか驚きました。

ここからはペリー氏に関する余談です。

ウィキペディアなどによりますと、ペリー氏はカーター政権が終わると、母校スタフォード大學にもどり民間外交に尽力しています。そして1991年、ソ連崩壊に際して、旧ソ連からの核兵器の核拡散の危険への対策が緊急の課題になったとき、民主党と共和党の関係者と共に旧ソ連の核関連施設を視察しました。次いで、この視察の結果に基づき《協調的脅威削減計画》が定められ、米国の主導のもとに旧ソ連の核兵器の処分が進められました。

ペリー氏はウクライナでの旧ソ連の核兵器の解体作業に立ち会っており、そのときの様子が、いつであったか忘れたのですが2018年3月ごろに、NHKのドキュメンタリー番組(BSドキュメンタリー「ペリーの道~元国防長官の警告」で放映されており、GGIはその番組をちらりと見た記憶があります

ペリー氏は解体作業に立ち会っていたときにウクライナにあった旧ソ連軍のミサイル発射基地を見学します。地下数十メートルのところに設けられているミサイル発射のための司令部へ、エレベータを乗り継いだり、長いトンネルと通りぬけてたどりつきます。そのときの様子をペリー氏が語っていました

ようやく地下の司令部にたどりつき関係者から説明を受けました。数百基のミサイルからここからの命令に従い発射されることになっているとのことでしたが、ミサイルの目標地点のほとんどが米国であったことを知って、私は思わず寒気がしました。実際にどのような手順を得てミサイルが発射されるのかを、発射一歩手前まで実演してもらいました・・・

などなど、今日も脱線してしまいました

今日の写真はペリー氏の講演内容を報じた朝日新聞の記事を撮ったものです。見にくいので拡大してご覧くださいませ

なもあみだぶ・なもあみだぶ・なもあみだぶ・・・・

グッドナイト・グッドラック!
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