UGUG・GGIのかしこばか日記 

びわ湖畔を彷徨する独居性誇大妄想性イチャモン性前期高齢者の独白

何を描いているの?・・・

2016-06-20 00:44:33 | 日記

一昨日618日の日記に、木山 捷平(きやま しょうへい)という詩人の「遠景」と題された詩とこの詩について同じく詩人の石垣りんが書いた「青い絵」という一文のことを紹介いたしました

「青い絵」の一文を読みながら、そういえばGGIは「青い絵」のようなものを持っているなあとわが庵の一等応接室の壁に青い絵のようなものが貼ってあるなあ、と思い至りました。

絵と申しましても、西武さんのなかにかつてあったポスター売り場で買った複製であります。マーク・ロスコというアメリカの現代美術を代表する画家の一人であるとされている人物の作品です。

今日の写真はこのポスターを撮ったものです。カメラとGGIの腕がよくありませんので色彩がうまく再現されていないのですが、よろしければクリックしてご覧くださいませ

縦長の画面、上3分の2ぐらいには、ただ白いだけの長方形のカタマリが描かれています。下の3分の1には青一色の長方形のカタマリが描かれています。ただこれだけです。

木山氏でなくても、これ「何を描いているの」と思わず言いたくなりそうな絵ですね。白いカタマリは雲のように見えたり、綿菓子のようにも見えたりします。青いカタマリは何なのでしょうか、海のようでもあり空のようでもあり・・・

GGIはアメリカの1960年代の現代美術が好きであり、ジャクソン・ポロックやマーク・ロスコなどの名前は知っておりましたので、西武さんのポスター売り場で「おや、マーク・ロスコの作品があるじゃないか」と思って衝動買いしたのです(といっても5000円ほどでした)。

シンプルで落ち着きがあり、色彩がよくバランスもいいので、じっと眺めておりますと何となく落ち着くというか、今どきの言葉で申しますと「癒される」ような気がするのです。

マーク・ロスコという人物(1903~1970)はラトビア出身の米国人、いったい何を描いたのか、「青い絵」の一文を目にしたあと、ネットさんの助けを借りて少し調べてみたのですが、彼の絵画理論はかなり複雑であります。たとえば彼は次のようにいっています

《絵を描くことが自己表現に関わると考えたことは、これまでに一度もありません。絵とは、自分以外にひとに向けた世界に関わるコミュニケーションにほかなりません。このコミュニケーションの内容に納得すると、世界は生まれ変わります。・・・》

彼の言葉、GGIには十分には分りかねます。でも、何となく気に入っているのです

いったいどのような人物だろうとネットさんでさらに調べておりましたら、戦後の米文学を代表する最良の作家でありGGIが敬愛しているカート・ヴォネガットという人物(1922~2007)の代表作のひとつである「青ひげ」(という作品の主人公のモデルはマーク・ロスコであったとされているという記述に遭遇してびっくりいたしました。そうだったのかあ・・・

「青ひげ」という小説は現代美術の作家であったものの現代美術の作品の収集家に転じた人物が主人公であり、この主人公、収集家に転じた後、最後に超大作を描いており、誰にも見せることなく大きな倉庫にしまっていた、その超大作には果たして何が描かれているのか・・・ラストシーンはまことに泣けるものでありました。

GGI、この小説に大変感激して「オレ、あの小説の最後、思わず泣いてしまった」とわが賢姪に話しましたところ、賢姪はネットか何かで懸命に英語版を探してくれました。そして遂にハードカバーの豪華本を見つけ出し、GGIにプレゼントしてくれたのであります。

おまけに、その英語版には何とヴォネガットのサインが入っていたのであります!まことに感激でありました・・・・

今日はみなさんには関係ない個人的な思い出話になってしまいました。どうかお許しくださいませ

グッドナイト・グッドラック!