オバマ氏が広島を訪問し、帰国しました。訪問したといっても、平和公園に滞在したのはわずか1時間少々、原爆資料館の見学がわずか十分少々と伝えられています
広島での米国大統領としてのスピーチは訪問前にスピーチライターの手をかり修辞法の限りをつくし練りに練ってつくられていたものでありました。したがいまして、彼が広島で何を見たのかという点にはまったく触れられていません
オバマ氏はヒロシマでいったい何を見たのだろうか、何を見なかったのだろうか、などと考えておりましたら、ある映画のセリフを思い出しました、日仏合作の映画です
「君はヒロシマで何も見なかった」(Tu n’a rien vu a Hiroshima)
という言葉を岡田英次が広島の街をさまよい歩くフランスの女優エマニュエル・リヴァに何度もくりかえしつぶやくように言います。
1958年に広島での撮影も行われた映画です。原作はマルグリット・デュラス、「初めての主演映画で生涯を代表する作品になった」とエマニュエル・リヴァに言わしめた、若き日のアラン・レネの監督による映画です。
原題は「ヒロシマ・モナムール」、邦題は「24時間の情事」、この映画のことを御存知でないかたは以下のサイトをどうぞ
この映画については何度かこの日記や別の日記ですでに書いていますので興味のある方はご覧くださいませ
http://blog.goo.ne.jp/ugugggi/d/20140312
http://blog.goo.ne.jp/ugugggi/d/20130328
http://blog.goo.ne.jp/ugugggi/d/20121102
主演女優のエマニュエル・リヴァはまるで映画の場面を地で行くように撮影の合間に広島の街を歩き回り、二眼レフでたくさんの写真を撮っていました。そのことが近年になって明らかになり、2008年に日本とフランスで「HIROSHIMA 1958」と題された彼女の写真集が出版されました。
今日の写真は写真集(インスクリプト刊)に収めらてたいた一枚を借用したものです。広島の街角で佇む小さな女の子とエマニュエル・リヴァを制作スタッフの一人が撮ったものです。よろしければクリックしてご覧くださいませ
ほんとうにオバマ氏はヒロシマで何を見たのでしょうか、何を見なかったのでしょうか?
グッドナイト・グッドラック!