UGUG・GGIのかしこばか日記 

びわ湖畔を彷徨する独居性誇大妄想性イチャモン性前期高齢者の独白

みなさん、忘れものはありませんか・・・

2014-12-18 00:33:27 | 日記

長いあいだ、思いだそうとおもっても思いだせない詩がありました、

 なかなかいい詩だったなあ、でも作者は誰だったかなあ、内容は覚えているのだけれど詩のフレーズがさっぱり思いだせないなあ・・・

 長いあいだ気になっていました、誰の詩集であの詩に出会ったのだろう・・・

 ところが、先日、何気なく手にとった石垣りんという詩人のエッセイ、頁をパラパラとめくっていましたら、何の前触れもなく、とつぜん探していたあの詩にめぐり会いました、まったくの偶然でした

 この本、「詩の中の風景」と題されています、しかし詩集ではありません、石垣りんさんが選び出したいろいろな詩人の作品について、さまざまな想いが綴られたものです,婦人の友社が1992年に出版したものです、なかなかの本でありましたので、誰か友人や知人にもあげた記憶はあるのですが、誰にあげたのかは覚えていません

 この本の「目のウロコ」と題された章で、GGIが長いあいだ忘れていた、思いだせなかった詩が引用されていたのです、杉山平一という詩人の作品です

 

 ものをとりに部屋へ入って
何をとりにきたか忘れて
もどることがある
もどる途中でハタと
思いだすことがあるが
そのときはすばらしい

 身体がさきにこの世へ出てきてしまったのである
その用事は何であったか
いつの日か思い当るときのある人は
幸福である

 思いだせぬまま
僕はすごすごあの世へもどる

 この詩について石垣りんさんは次のように記しています

 ふと用事を忘れる。自分が書いたのではないかと思うほど、私には身に覚えのあることですが。
“身体がさきにこの世へ出てきてしまったのである”から先は、詩が目のウロコを落としてくれたあと、見えてきたことです。

 みなさん、忘れ物はありませんか!

 今夜の写真は「詩の中の風景」の表紙を撮ったものです、よろしければクリックしてご覧くださいませ

 グッドナイト・グッドラック!