UGUG・GGIのかしこばか日記 

びわ湖畔を彷徨する独居性誇大妄想性イチャモン性前期高齢者の独白

御誂次郎吉格子・・いざ、鼠小僧参上でござる!・・・

2012-12-05 00:34:32 | 日記

11月半ば、雨の降る某土曜日の午後、市内某所にある県のハコモノ疑惑物件の2階にある、わが麗しの淡海が眼下に広がるロビーで某謀議を行いました

謀議終了は午後5時ごろ、参加者の一人が、
「これから夕方から始まる活動写真の上映会の準備に行かなければいけない、GGIも見に来ない?」とのたまいました

GGI、雨は降っているし上映会の会場へは電車とJRを乗り継いて、それからかなりの徒歩・・・ちょっとなあ・・・と迷っておりましたら、やはり謀議に参加しておりましたGGIより数歳は年上の依然として元気印の白髪のオバサンがのたまひました

「GGI、行こ行こ!私の車に乗せてってあげる、帰りも送ってあげる、さあ行こ!」

雨は降っているし、このGGIより高齢のオバサンの運転で大丈夫かなどと思わぬこともなかったのですが、このオバサン、若いころアウトバーンで腕をきたえた経験の持ち主、しかもいつだったか、市内で深夜、お巡りさんに「さっき、センターラインをオーバーしただろう」と車を止められたとき「あんたたち、どこ見てるのよ!」と逆にかみついたところ、白髪のオバサンに逆襲されるとは思いもしなかったお巡りさんたち退散してしまったという武勇伝の持ち主でありますので同乗させてもらうことにいたしました

活動写真上映会の会場はウィリアム・ヴォ―リスが建てたという古い木造の教会の礼拝堂、主催者は憲法9条がどうのこうのという市民団体と某人権NGOのグループ、いったいこの主催者どもがなぜ活動写真の上映会なんかやるのや?、GGI、親しい主催者の一人に「いったいどうなってるんや」と尋ねましたら、「いいの、いいの、細かいこと気にしない」という返事

それでGGIも気に素直に気にしないことにいたしました
活動写真でありますから、当然ながら弁士による活弁付きでございます

作品は「御誂次郎吉格子」(おあつらえじろきちこうし)
原作:吉川英治
監督:伊藤大輔
出演:大河内伝次郎ほか

活動弁士はうら若き、着物姿をよく似合うスレンダーな女性、
《ひさご亭 遊花》さん(京都放送劇団所属)であります

写真はこの上映会のチラシであります、よろしければクリックしてご覧くださいませ

写真では弁士はスクリーンの脇で観客と向かい合う位置にたっておりますが、この日はスクリーンの斜め前方で、スクリーンと向かい合うかっこうでの活弁でありましたI

作品は約90分ばかり、あの鼠小僧次郎吉が主人公の捕り物帳でありました、鼠小僧次郎吉が”I shall return !"と宣言して一時江戸を追われて大阪に逃げ延び、大活躍するという内容のものでありましたが、捕り物帳というよりは、二人のキレイな女性がからんだ大恋愛映画でもありました、最後に、よよと泣き崩れる二人のベッピンさんをあとに「では、御免なすって、なにしろ I shall return なんて思いつきでカッコつけてきたもんですから、どうか許してやっておくんなせえ」と御用提灯の群れを尻目に江戸へと帰っていくのでありました

遊花さんの活弁はなかなかのものでありました、はじめのうちはスクリーンに向かって台本を見ながらの活弁でしたので、声の聞こえてくる方向がスクリーンからでないので若干気になったのですが、時間がたつにつて遊花さんの声はスクリーンに映し出された俳優さんたちに乗り移り、まるでスクリーンから声が発せられているように感じてきます

一人で男優、女優、子役などの声を見事な声色で使い分けます、それに江戸っ子のベランメエ調と大阪弁(というよりは、はんなりした京都弁でありました)も見事に使い分け、そこらへんの声優には簡単にはまねのできなさそうな器用ぶりでありました

そしてナレーション部分、これがすべて五七調というか七五調というか、まことに流麗というか、一瞬の淀みもなく続き、快く耳に響きます

90分の上映時間中、遊花さんはつかえたりすることは一度もありませんでした、まことに見事の一言につきる活弁ぶりでありました

これで木戸銭はわずか500円でしたので、若干のカンパをさせていただき、運転手付き車で帰途についたのでありました、寒い土曜日でありましたが、まことにグッドな夜となりました、感謝であります

グッドナイト・グッドラック!