北朝鮮に「尋常ならざる空気」飢餓に苦しむ都市住民
高英起デイリーNKジャパン編集長/ジャーナリスト11/1(火) 6:06金正恩氏(平壌写真共同取材団)
世界で唯一、計画経済を採用している北朝鮮では、毎年の農業収穫量も、国家計画委員会によって定められる。前年の収穫量をもとにして、収穫量の課題(ノルマ)を課す、というものだ。
金正恩総書記は農業第一主義を掲げ、農業生産高の向上を訴えているが、各地から作況が極めて悪いとの情報が伝わってきていた。現在行われている秋の収穫の結果も、散々なようだ。
「農業部門に尋常ならざる空気が流れている」と述べた平安南道(ピョンアンナムド)のデイリーNK内部情報筋は、首都・平壌郊外にある平城(ピョンソン)市の栢松里(ペクソンリ)協同農場で、収穫量が国家計画の半分にも満たなかったと伝えた。
通常、収穫期を迎えると穀物価格が下がり、食糧事情が好転するものだが、今年は価格が下がらず、農民はもちろん都市住民も飢餓に苦しんでいる。
(以下略)