「ヤバい、全然撮れてないかもしんない!!」
――いきなり男性の頭に炎を放った人物。撮影者も仲間とみられ、その一人が男性を指さし笑うなど、この行為を楽しんでいるような様子も。
この動画が撮影されたのは、今月21日、千葉市の幕張メッセで行われた人気マンガなどのイベント「ジャンプビクトリーカーニバル2019」の会場。
男性の頭に向かって炎を放つ瞬間をよく見ると、スプレー缶から噴射されたモノに火をつけているように見える。
何が起きたのかわからず後頭部を気にする男性。その後、警備員に話しかけ、被害を訴えているのだろうか。
主催の集英社によると、会場への刃物や爆発物の持ち込みは禁止していたが、ライターや制汗剤などのスプレー缶は日用品のため危険物とは言えず、持ち込み禁止ではなかったという。
千葉市消防局による実験では、小さな火種でも大きな火災につながる危険性があることがわかる。
会場には約1万5000人(主催者発表)が訪れたということだが、このような危険な行為は、どのような罪に問われる可能性があるのだろうか。
――火を放った人物について
アトム市川船橋法律事務所・高橋裕樹弁護士「傷害罪や暴行罪の成立が考えられます。髪が燃えてしまっていることを考えると、傷害罪の成立がほぼ間違いないのではないかと思う」
――火を放った人物の仲間について
アトム市川船橋法律事務所・高橋裕樹弁護士「道具を提供するなどして一緒に今回の火炎放射をやっているのであれば、傷害罪の共犯者として処罰されることになると思います」
実行した人物以外も共犯者として罰せられる可能性があるという。また、警察もこの動画を把握していて、すでに暴行の疑いで捜査している。
一方、集英社は「手荷物検査や警備・監視を強化し、危険行為などの禁止事項の周知に努めてまいります」とコメント。次回のイベントでは、持ち込み禁止品の見直しなどを検討しているという。