チェンジリング

すげーなぁ~、クリント・イーストウッドは。
このおっさんは、本当に強い。
強さということに、ずっとこだわって生きてるんだろうなぁ。

まずTrue Storyという言葉で始まる。
Based onとか、Inspired by とか、そういうまだるっこしい言い回しで逃げたりしないのだ。これは、True Storyだとストレートに言ってくるのだ。

それにしても、実際に起こった話だと聞かされていなければ、逆に、こんな話は「ありえないだろう」って思ってしまうようなそんな話だ。
自分の子供。
うーん、どうだろう、生後3ヶ月ぐらいまで育てて、そしていなくなって、5ヶ月後に「はい、これがあなたの子供ですよ」と戻ってきたら、そりゃあ、「なんかちがうような気がするけど、ウチの子なのかもしれない」って思えるかもしれないけど、生後6ヶ月も過ぎれば、たとえいなくなっていな期間が5ヶ月であっても、絶対に自分の子供と別の子供の区別はつくだろう。ましてや、この映画の話では、9歳の子供なのだ。いったいどこの母親がそんなことを信じるというのか。
当時のLAPDが、どれだけおかしなことになっていたのか、よくわかる。
でも、この母親がいなければ、この強い母親が行動していなければ、まだまだあと何年もこんなやり方が続いていたのかもしれない。

当時のLAPDが、って言っても、これは結局、強い権力を持った集団っていうのは、暴走する危険をつねに孕んでいるってことだろう。こないだのリダクテッドの兵士達しかり。相手が逆らうことができないぐらい強大な力を持った人達が暴走していくっていうのは、もうこれはしかたないことかもしれない。
この映画で素晴らしいと思うのは、アメリカでは完全に司法が独立しているんだなぁってことだ。いや、三権分立っていうのは、基本中の基本のはずだけど、どこかの国ではビミョーな感じがしてしょうがないから。
警察が「頭がおかしい」と断じた女性の言うことをちゃんと公正に聞いてくれる裁判所でなければこの事件はもっとおかしな結末になっていたんだろうなぁ。

しかし、
自分の子供を奪われる気持ちというのは、想像もできない感じだ。おそろしくつらいことだろうとは思うけど、それ以上具体的に想像することができない。自分の命を奪われるよりもきっとずっとツライことだろう。
可能性がほぼ0%であっても、完全に0%でないのなら絶対にあきらめない強い親。自分も強い親、強い人間でありたいなぁと思いました。

それにしても、わずかな「希望」をむりやり見つけだして死ぬまでこの事件をひきずって生きるのと、希望はゼロだと悟って新しい人生を生きるのと、一体どちらが幸せなのだろうかと、そんなことも考えさせられる内容。深いなぁ。

そして宗教のあり方についても。
この事件、実は、善意のこの団体のラジオ放送が警察を追い詰めた結果おこったこととも言えるわけで、結局この団体に助けてもらうんだけど、そもそも発端がこの団体っていうのも、また、この映画の深さだなぁ。
一体正義ってなんだろう?

いろいろ考えさせられるガツンと重たい映画でした。

すごいなぁ、イーストウッド。
4月公開のもう一本が、これよりも評判がいいらしい。
楽しみだなぁ。しかし、このおっさん、本当にすごいなぁ。



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