虹の架け橋

2004年の44歳から綴ってきたブログ。塾長として、男として、父親として、そして爺として、感じたことを記した記録。

続 少年S

2010-09-29 | 塾長日記
先週少年Sの記事を書いた。
少年Sのおばあさまは金曜日の午後様態が急変し、
還らぬ人になってしまった。

少年Sの家は私の親戚にもあたる。
日曜日の通夜、月曜日の葬儀と私はお手伝いをさせていただいた。
今年は森裕也さん、おふくろ、少年Sのおばあさまと別れが多い・・・。

土曜日は親戚一同が集まって告別式の打ち合わせを行う。
私も授業の合間をぬってお伺いした。
その中で少年Sがいないことに気が付いた。
Sのお母さんに「Sはどうした?」って尋ねると
「熱を出して在所で寝ています」って。

おばあさまに可愛がられたS。
幼い心に響くものがあったのだろう。
そして自分で自分の心を修正できなかったのだろう。
悲しかったのだろう・・・。

Sは言葉使いが本当に穏やかだ。
おばあさまの接し方がそれを作ったと
お母さんが言っていた。

翌日の通夜の日。
少年Sがいた。私の顔をじっと見ていた。
私が「元気になったか」と尋ねると「はい」と頷いた。
家から葬儀場への出棺の時に私は外で棺を持って
霊柩車に運ぶ準備をしていた。
するとSのおやじがSに
「塾長と一緒におばあちゃんを持ってあげなさい」って。
Sは私の横にちょこんと立って私を見る。
私が頭を撫でてやって「S、しっかり持てよ」って。
思わず涙が溢れた。

葬儀場に着いてもSは何度もおばあちゃんの顔をのぞき込む。
私は心の中で「しっかりおばあちゃんの最期を見届けなさい」と言っていた。

通夜の時、少年Sは自分の席にきっちり座って微動だにもしなかった。
小さな心も現実を受け止め、今の自分のあるべき姿を少年なりに決めたようだ。
これも立派であった。

今日は少年Sの登塾日。
ひとつ成長した少年Sに会いたい。
天国のおばあちゃんと一緒においで。
待っているよ。
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2 コメント

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Unknown (かねごん)
2010-10-01 00:28:30
上野先生今晩は。
泣ける記事でした。
私の祖母が亡くなった時に、幼かった次男が棺にすがりついて泣いていた姿を思い出してしまいました。
「ピーちゃんが死んじゃった」と言って泣いていた次男も今年受験生です。
思い深き秋ですね。
返信する
Unknown (上野義行)
2010-10-01 09:25:54
かねごん先生

おはようございます。
コメントありがとうございます。

少年Sの幼い心に大きく響いたことは
きっとこれからの生きるエネルギーに
なって行くと思います。

こういった子どもたちの成長を
見届けることも我々の使命だと思います。

10月に入りました。
ふんどしをもう一度締めなおして
今年度の塾屋業を完遂します。

いつもありがとうございます。
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