史跡訪問の日々

幕末維新に関わった有名無名の人生を追って、全国各地の史跡を訪ね歩いています。

甲府 Ⅴ

2021年12月18日 | 山梨県

(愛宕神社)

 

愛宕神社

 

小野實命之墓

 

 実は愛宕神社には、医者にして文人でもあった小野泉の墓を訪ねることが目的であったが、墓地を探した結果、小野家の墓所はあったものの、そこに小野泉(小仙)の墓はなく、実弟小野實の墓を発見したにとどまった。神社は山の斜面に建てられており、この斜面を登ったり下りたり、近くの寺院の墓地まで足を伸ばしてみたものの、小野泉の墓に出会うことはできなかった。

 小野泉、實の父親である小野通仙も医者として名を成した人で、蘭方医学を学び、人体解剖を行ったことでも知られる。

 小野泉は、天保元年(1830)に通仙の長男に生まれ、初め松井渙斎に学び、弘化四年(1847)江戸に出て、嘉永二年(1849)には京都で広瀬元恭の時習館で蘭学を学んだ。帰国して父とともに種痘館を建てて牛痘法を広めた。明治元年(1868)、公立病院の設立を唱え、明治三年(1870)に県病院の実現を見た。のちに歴史地誌編輯主任としても活躍。私塾を甲府紅梅町に開いて和漢英書を講じた。明治十七年(1884)、年五十五にて没。

 小野實は、通仙の二男。天保八年(1837)の生まれ。安政三年(1856)、広瀬元恭の門に入り蘭医を修めた。明治五年(1872)、県立睦合病院、日野春分院長などを歴任した。

 

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