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スチーブンソン原作「宝島」あらすじ 1

2019-05-19 13:13:08 | 宝島
スチーブンソン原作/近藤健訳 「宝島」
第一章 老海賊
㈠「ベンボ―提督停」に来た男
 
 僕の父が「ベンボ―提督停」という変わった名前の宿屋をやっていた時のことだった。ある日船乗り用の大きな衣類箱を持った男が、宿屋の客になった。男は年寄りだが頑丈な体つきで、体や顔には傷跡がいっぱいあった。名前を尋ねると、船長にしておこうと言った。
 
 船長は大きな望遠鏡を抱えて一日中外を歩き廻り、夜は酒場の隅で強いラム酒を呑んでいた。しきりに船乗りがこなかったかと聞くので、僕は誰かを待っているのかと思った。そして船長は僕に、「船乗りのような男が来たら、こっそり知らせろ。特に一本足に船乗りには気をつけろ」と言った。
 
 船長は酒場でラム酒を呑んでは客を脅かすので、「今にお客が来なくなると」父母は心配した。宿賃も滞りがちになり、おかげで体の弱かった父は重い病気になってしまった。
 
 船長はわが物顔で威張りばり散らし、誰もが船長を恐れていた。そんな船長も医者のリブジー先生の前ではおとなしくしていた。先生が治安判事の役を持っていたからだ。

㈡「黒犬」現われる

 その冬は、寒さがひどかった。父は春までもちそうも無く、僕は船長のことなどに構っていられなくなった。

 一月のある朝、船長はいつもより早く渚の方におりていった。僕が船長の食事の支度をしていると、ドアを開けて男が入って来た。男は一本足ではないが、左手の指が二本無い。
 
 男は僕の背中に隠れて船長を待ち受けた。「ビル」男は後ろから船長に声を掛けた。「黒犬だな」船長は男に言った。二人は睨み会いながらテーブルに向かい合って腰かけた。
 
 黒犬にあっちに行っていろと言われ、僕は帳場に引き下がった。二人の話声は小さくて聞き取れなかったが、そのうち言い合いになり声が大きくなった。声と一緒に刀を打ち合う音が聞こえ、悲鳴が聞こえた。
 
 肩から血を流した黒犬を追いかけ、船長が刀を振りおろした。刀は看板を切りつけ、船長はそのまま倒れてしまった。
 
 ちょうどそこに、リブジー先生が父の診察に来てくれた。船長は酒の呑み過ぎで、高血圧の発作を起こしたのだ。先生の応急処置のおかげで船長は助かったが、今度倒れたらおしまいだと先生は言った。
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