
県内のあるコンビニエンスストアで、興味深い企画のもと、新しいお弁当やデザートが期間限定で並んだ。一人暮らしをしているわたしは、部屋でひとり食べることがなんとなく虚しく感じてしまうので、コンビニ弁当をめったに買わないのだけれど、企画の趣旨に賛同してコンビニへ足を運んでみた。
きっかけはローカルのテレビで見たニュース。県内6つの大学の学生が、大手コンビニエンスストアでのインターンシップを兼ねて、お弁当やデザートをプロデュースするというものだった。その名も「学P」(学生プロジェクト)。最終的に各大学が決定したメニューをコンビニで期間限定販売するという。県内で採れる食材を駆使してアイデアを練る学生の姿に、自然と完成するお弁当に興味をそそられた。
全6品のうち、実際に食したのは、北部の鶏肉をメインにゴーヤーチャンプルーやニンジンシリシリーをご飯にのせた「やんばる若鶏重」、沖縄特産のたんかん果汁入りムースと沖縄の伝統的な菓子・ちんるうこう(どうやら‘ちんすこう’の元になったものらしい)を組み合わせた「シュリーツ」、沖縄そばをタコライスの具と混ぜる「タコランツァ」、紅芋をふんだんに使った「ベニーブラン」。

どのメニューも、それぞれに沖縄ならではの食材に対する愛着が感じられるものだった。そして学生がコンビニエンスストアの社員の助けを借りて、一生懸命に考えただろうと思いながらいただくと、おいしさもひとしお。お弁当はバランスが良く、デザートは女性心を引きつける仕上がりだと感心した。
最近は内地でも、地元の食材を使って作ったお弁当をコンビニエンスストアに並べているというのを聞いたことがある。カロリーが高すぎるとか、お決まりの食材ばかりが使われていて飽きてしまうとかいう、コンビニエンスストアのお弁当のイメージを一新する、画期的な試みだと思う。
食べるものに対する不安が増加したり、経済的な問題で食材そのものの値段が上昇したりするなかで、地元のものを地元で消費するという動きにわたしは賛成だ。(続く)
