uchakoのめりーGOらんど

駄文日記。~with 愛鳥のコザクラインコや絵本・本などの紹介~

『それでも、警官は微笑う』

2006-06-04 15:01:24 | 



今回は、久々に最近読んだ本を紹介します。





『それでも、警官は微笑う』 日明恩/著 講談社ノベルス (2005年)




これは元々、2002年にハードカバーで出版されていたものが
改めてノベルス化されたものですね。



私は今まで、警察小説というものをあんまり読んだことがなく、
乃南アサ著の『ボクの町』以来です。

というか、『ボクの町』は正直、コメディ的な部分が大きく、
警察小説には入らないかな?

・・・と考えると、
ひょっとしたら本格的な警察小説は初めてだったのかもしれない。



まず単純に感想を言ってしまうと、かなり面白かったです。

途中や終盤のスピーディでスリリングな展開には、
興奮して、目を離せませんでした。



密造拳銃に外国が絡んで、人殺しが絡んで・・・・

と、結構ハードな内容で、またどこか現実味を帯びており、
ひょっとしたらこんなことが今の日本でも起こり得るのかもしれないと
思えて、かなりゾッとします。




この小説は、事件の謎解きの過程ももちろん面白いのですが、

何よりも主人公の武本と潮崎のでこぼこコンビのやり取りが楽しかったです。



無口で強面だけど、根は温かく、一所懸命でまっすぐな武本と

ノリが軽く、時々暴走してしまうこともあるけれど、
頭脳明晰で記憶力が凄まじい、そして人当たりが良く人なつっこい潮崎。


階級的には31歳(もっと老けている感じだが)の武本が巡査部長で、
28歳の潮崎が警部補であり、潮崎が武本の上司であるという設定も
物語を面白くしています。


最初は上司である潮崎のことが理解できずに、戸惑っていた武本でしたが、
次第に理解しあっていき、
補い合いつつ絶妙なコンビネーションで事件に取り組んでいく二人の姿は
とてもかっこ良かったです。


また、読んでいくにつれて、
武本の温かさにどんどん触れていくことができるという嬉しさもあります。

潮崎の頭の良さ、暴走っぷりもかなり愉快。



あと、麻薬取締官の宮田たちが絡んでくるのも面白いです。


副主人公(?)である宮田の結末には、切なさと納得を同時に味わいました。

女と男っていうものは、どうしようもなくすれ違っちゃうことがあるんですね~。






ちなみに今回、本の画像はわざと帯び付きにしました。



【責めるべきは、自分の弱さ。

 守るべきは、自らの誇り(プライド)!】





物語を読んだ後、この言葉を見るとじんわりと染み入る感覚を味わいました。


なるほど・・・。
勇ましい警官たちの活躍を見ていると、
これがかっこいい、真っすぐな生き様なのだと感じます。


そして、この言葉は辛いことや苦しいことから逃げようとしてしまう
自分へのエールだとも思いました。



私も、自分の弱さをしっかりと見つめて、
武本のように 力強くたくましく生きていきたいものです。







ちなみに、
今回から再びトップページの記事表示を、概要ではなく全文表示に戻しました。


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