日伊相互文化普及協会

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ヴィテルボ、原野の露天風呂

2007-10-31 16:43:19 | Weblog
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法王たちの温泉、テルメ・ディ・パーピから歩いて10分程の所に露天風呂があります。
自噴で書け流し、塩素無添加、泉質は法王の温泉と同じ硫黄塩化物泉です。

ここの露天風呂は無料です。
風呂の周りに泊めた車の中で水着に着替えて、気ままに浸かります。
ヌードで入ると逮捕されるそうです。



先日私が訪れたときは20人ほどの老若男女が和気藹々と浸かっていました。
暑くもなく、寒くもない10月、秋晴れでした。
この頃もいいですが、私は真冬に浸かるのが好きです。
空からチラチラと落ちてくる雪が、ほてった頬や、お湯の中でスーッと溶けていくと自分まで溶けていくような、いい気持ちになります。

イタリアのこういった原野や山の中の露天風呂に行っていつも思うことがあります。
シンプルさです。
露天風呂から離れたところに車が停めてあって、風呂のそばにはデッキチェアー。
バスタオルとお水のボトルだけが置いてある。
食べ物は見当たりません。
ですから食べ残しが散ってたりすることもないし、ゴミもありません。
子供が来ていてもお菓子やジュースもありません。



イタリア人たちは空を見て、周りの緑を見て、知らない人と話しながら温泉の心地よさに浸ってます。

温泉プールですとバールやレストランが併設されているのでそこを利用してます。
こういった原野の自然の温泉では単純に温泉だけを楽しんでいます。

日本の原野の露天風呂の場合。
日本とイタリアは文化も国民性も違います。
ですから、どっちがよくて、どっちが悪いというのではありません。
単純に違う情景をとらえただけです。

日本では原野の露天風呂であっても、たいがいが「超自然の穴場」とか「秘境の隠れ露天風呂」とかいわれて、その道のガイドや雑誌に載っています。
そういった部類の原野の川べり露天風呂で見た光景です。



露天風呂の周りにはビールや酎ハイなんかのアルコール類とジュース類の缶やボトル。露天風呂入浴の必需品なのですね、きっと。
バーベキューセットも見当たります。さっきのお食事で焼いたお肉やとうもろこしなんかの焦げ付きが張り付いて、匂いがあたり一面に漂います。

お風呂の中にお酒を持ち込むおじさん、おにいさん、また、かわいい女の子もいます。
露天風呂のそばには「アルコールを飲んでの入浴は危険です」と立て看板。

ふと、湯の中を見ると、焼きそばの切れ端が「い~い、湯だな~」と流れて行きました。
そしてどこかで始まったカラオケの音。

日本人の場合、温泉と飲み食い、唄がセットにすることがあります。そして、盛り上げのために喧騒をあげる努力をします。

これが楽しいんだから、という人は多く、私も別にいいと思います。
日本人には日本人の楽しみ方があるのですから。
私も開放感のある露天風呂に入ったときは、クィッとビールなんかを飲みたいですね。

ただ、この温泉歓楽に付き物の、ひとつ、これだけはイヤ!です。
「飲んで風呂入れば回るのは当たりまえでぃ、旅の恥は掻き捨てだいっ、無礼講だっ、そそうをして何が悪いっ」と開き直る人達の置き土産。ゲロ。


日伊相互文化普及協会           Emi

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