日伊相互文化普及協会

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トリュフの入ってる蜂蜜!

2007-10-26 20:13:20 | Weblog
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秋のネットワーク懇親会も、おかげさまで定員を満たし、受付は終了しました。

マイミクやコミュニティのメンバーの方々で「懇親会のお知らせを見逃したのだけれど、今からでも参加可能か」という問い合わせがよくあります。
懇親会は春、夏、秋、冬の4回を基本に行っています。
お知らせ掲載のチェックをよろしくお願いいたします。

また、口頭での申し込みはお聞きしてはおきますが、のちに必ずメール又はファクス、郵送などで文書での申し込みをお願いいたします。
文書での申し込みがない場合は参加できません。

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さて、カットされた黒トリュフが入ってる蜂蜜の話。
トリュフを嗅ぎ当てるのは豚や犬と決まっています。
が、このトリュフの入った蜂蜜を嗅ぎつけてきたのは、当日伊相互文化普及協会のスタッフでした。
どこで見つけて買ったのか一つの小瓶を手にしていました。琥珀色の中に黒い、トリュフが入っています。
さながら私は豚か犬の飼い主であって、トリュフの採取者ということになるのでしょうか。



日本では見たこともない、イタリアでも食べたことのない珍味に私は興奮してしまいました。
「でかした。でかした」と喜んだのですが、見つけたものの得とスタッフには言われてしまいました。

昼下がりのドゥオーモ広場。私はイタリアスローフード協会オルヴィエート会長のルイーサとモンタヌッチでコーヒーを飲んでいました。
私はルイーサに、私のところのスタッフが見つけてきたトリュフ蜂蜜のことを話しました。



ルイーサによると、イタリアでも貴重なもので、店頭での販売は一般的ではなくて、生産品の一部は食事療法などを指導する医療機関に回され、ほかは昔からの顧客に押さえられ、残りは家族や親戚、家族の友人たちで消費されるのだそうです。
「普通は買えないから、なかなか食べられないのよ」とルイーサは言いました。

この日は伝統あるオルヴィエートの食の祭典Orvieto con Gustoの日。
もしかしたら、知り合いの蜜蜂製品の生産を担っている友人が、特別に前に出したのではないか、とルイーサは言いました。

普通は買えないと言いながら、ルイーサは食べたに違いありません。
ずるいんではないの・・・。
ルイーサは祭典の総責任者なので、いろんな生産者と次々に会うことになっていました。
その養蜂所の友人とも会うことになってるそうで、ルイーサはちょっと早いけどと言いながら携帯を手にしました。
「やっぱり・・、いやもしかするとかも」と私は思いました。
その友人はルイーサのために、上着の下なんかにトリュフ蜂蜜を忍ばせてくるんではないかと。

しばらくしてやってきたのは小太りの女性。
私と彼女はお互いに顔を見合わせて「あら」、「ま」と小さな声を上げました。

私と彼女は何年も前から、町でよくすれ違っていました。
彼女がサルメリーアで買い物をしている姿を通りから見て、彼女が振り返って目が合ったこともありました。
彼女は上着の下にもどこにもトリュフ蜂蜜を忍ばせてはいませんでした。
横取りを考えていた私はがっかりしました。



彼女はロゼッラさんといい、夫と二人の息子、家族ぐるみで養蜂をやっています。
彼女たちの先祖はローマ時代に遡るそうです。
この地域の先住民、エトルリア人を追い出した、ローマ人たちの末裔なんでしょうかね。



この地域の属するウンブリア州は「イタリアのグリーンハート」と呼ばれるほどイタリアで一番緑が豊か。一面に咲く花は冬でも枯れず、養蜂に最適な地です。
また、森が多く、キノコが豊富。時期になると町と町をつなぐ「中世の愛の小路」と呼ばれている街道は「キノコ街道」に代わり、道端にはポルチーニほか、平茸、栗茸のようなキノコが積まれた屋台が並びます。



そんなキノコたちの王様、芳しいトリュフ。
幾千の花の意味を持つMill Fioreから集めた滋養豊かな蜂蜜。
その二つのコラボは自然が創造した芸術ともいえるのではないでしょうか、など、私は勝手に思ってため息をつきました。



その夜、ロゼッラさんは、いつか日本に行ってみたいという息子さん二人を連れて、私の泊まっているアグリトゥリズモに遊びに来ました。
帰り際、「日本で食べて」と言ってトリュフ蜂蜜の小瓶を二つくれました。

これを読んだ人は「なによ、自分だけ」とと思うでしょう。私はやっかみを買うでしょう。
でも皆さんへの、幸せの還元も考えましたのでお許しください。

ロゼッラさんたちと会った翌日、私はルイーサに相談しました。
食文化交流の一環として日伊相互文化普及協会で扱いたいと。もちろん、限られた一定量でいいからと。
そしてOKが出ました。
今のところ「ブツ」はありませんが、近々会員の皆さんにお届けできると思います。
紹介だけは早くも日伊相互文化普及協会スローフード部門Avantiに載せましたので、関心のある方はご覧ください。

ところで皆さんはトリュフの健康作用はご存知でしょうか?
日本では取れないトリュフ、効果はイタリアでいわれているものです。
美肌、老化防止、精神安定、冷え性、肩こり、消化促進、解熱などが挙げられています。
自然医学療法機関に尋ねればもっと詳しいことがわかると思います。



       
日伊相互文化普及協会                   Emi