透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

ブックレビュー 0902

2009-03-01 | A ブックレビュー



 2月に読んだ本のレビュー。

山本兼一さんの小説(歴史小説と時代小説ってどう違うんだろう)を読んだ。日本人の美意識について学んでみよう、などと思わなければ読むことはなかっただろう。

『利休にたずねよ』 物語は利休の美を追求する原動力は何に由来するのかを追い求めて時を遡って進む、川の源流を訪ねるように。切腹する日から50年も遡ってたどり着いたのはひとりの美しい女性だった・・・。

『火天の城』 安土城築城をめぐる物語。ユニークなデザインはどのようにして生まれたのか、築城に伴う数々の困難・・・。

ともに建築用語が頻出するがその使い方に違和感はなかった。建築について実によく調べていることが巻末に載っている参考文献などからも窺える。

『凍』も『檀』同様、沢木耕太郎さんの綿密な取材ぶりが窺える作品だった。標高7千メートルを越える氷壁でのビバーク! ああ、水平なベッドでゆっくり眠ることの安心、安全!

『藤森照信、素材の旅』 カバーにいくつも穴をあけて表紙をちらっと見せるというユニークなブックデザイン。藤森さんの素材への関心の深さが伝わってくる。

『歌謡曲の時代』 ヒット曲を量産した作詞家 阿久さんの言葉に対する感性の豊かさに脱帽。

さあ、3月。今月はどんな本を読むことになるのだろう・・・。


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