しかし、驚いた、液体爆弾を使ってのテロ計画とは!
テロリストは次から次へとよく考えつくものだ。
海外出張でいつも飛行機に乗る人にとっては決して人事でない深刻な問題だ。自分の身が危険にさらされるだけでなく、安全の為の検査がより厳しくなって運行面でも深刻な遅れ等が発生し極めて多くの不具合が発生するからだ。
航空会社の社員にとっても一度テロが起きれば一斉に旅行キャンセルが発生して会社の存続すら危うくする一大危機となる。
日本にいるとテロの恐怖がもう一つピンと来ないかもしれない。だが、私は自分の会社の飛行機がニューヨークの貿易センタービルに突っ込んでいったニュース映像を見たときに大変なショックを受けた。あれは決して忘れることが出来ない衝撃だった。
自社の社員と乗客が何の罪もないのにテロに巻き込まれて無残に死んでいくいく腹立たしさ。テロの前にその存在は無力そのものだった。
確かに米国流の正義やら価値観を押し付けられるのも敵わないが、こんなヒドイやり方をしても、テロリスト以外誰も支持できないし、泥沼に一層ハマルだけだ。
核兵器の使用もテロも卑怯という点では共通している気がする。まあ、戦争に卑怯もクソもないし、ただの殺し合いなのは一緒だが国家同士の殺し合いはそれ専門の軍隊同士でやって欲しいと願うのは果たして奇麗事なのだろうか?
それにしてもイギリス治安当局はよくこのテロを未然に防いでくれたものだ。聞けばロンドンから米国へのフライトの十数機を一斉爆破する計画だったらしい。
しかも、またもやターゲットに我が社が予定されていたと知って、やっぱりと思いながらも愕然とした。
一体いつまでこんな無益なテロを続けていくつもりだろう。
イスラム圏と自由主義圏との戦いだが、アメリカとイギリスに屈したくないイスラム教徒の怨念の戦いとも言える。
相容れない異文化と宗教、妥協点は全く見えてこない。宗教戦争とも言える展開に底知れぬ深い闇がある。単に国家間の争いなら一方が敗れ去る事で決着がつくが、宗教上の対立は国家を離れて過激分子がテロリストとして地下に潜りその争いはずっと続く。
アメリカが中東から全面撤退し、彼らに干渉をしない限り、この争いは続くだろうが、世界の警察たるアメリカの面子にかけても、そして石油の利権という点でも実現し得ない事だろう。
今回のロサンゼルス旅行も旅程がもう少し後ろへズレていたら、帰国するにも大変な目に遭っていたかも知れない。
旅行の不都合は感じても航空機の安全確保の為にはいくらでも協力は惜しまないという覚悟は必要だろう。旅行を控えるのだけはやめてと業界の人間として思わず叫んでしまいたい気分だ。