結婚20周年。
短いようで長い20年だったが、結婚当初から変わらず夫婦と共に連れ添ってきてるモノがある。
新婚当時、最低限の家電製品をまとめて買って新生活をスタートさせたのだが、殆どが壊れたり、機能的に古くなりすぎて使い物にならなくなって新品に買い換えた。
テレビ、冷蔵庫、電話、ファックス、ビデオ、電子レンジは全て2代目だし、炊飯器に至っては3代目が稼動中だ。
その中で唯一生き残ってるモノがある。
洗濯機である。
ヘタってるどころか元気いっぱいで壊れる気配すらない。
確かに洗濯機の単純な構造を考えると壊れにくいのはもっともだ。
一槽式でモーターを使って、ただグルグル回してるだけの代物だから、壊れようがないのかもしれない。
一応、水流の強さや時間及び水位の設定などが可能で、電子制御で全自動運転出来るタイプだが、極めて単純で今の電子制御のおもちゃより低いレベルのものだろう。
毎日健気に動いている洗濯機を眺めながら、そのタフさに感謝しながらも、その元気さを恨めしく思ってしまう。
つまり、私としては、いい加減に壊れて欲しいのだ。
最新式の洗濯機を使ってみたくてしょうがない。
洗濯機は他の電化製品と比べて極めて劇的進化の少ない製品だったが、最近はかなり新しい機能・色んな特徴を備えた新製品が続々と投入されて興味がそそられる。
斜め式ドラムで出し入れが楽だからとか、節水型でオゾンを使って除菌・消臭が出来るとか、1槽式だけど乾燥機が一緒に付いていて洗濯から乾燥まで全自動だとかの機能が魅力的だ。
しかし、かといって、チャンと洗えているモノをわざわざ変えてまで、新製品を導入する気にはならない。
そこまでの価値ある新機能とは思えない。
だからこそ、壊れて欲しいと願っている。
しかし、不思議なもので、逆にいつまで、この記録を延ばせるかという興味もある。
なんといっても結婚以来、ずっと共に連れ添ってきたわけだから、天寿を全うするまで見守りたい気もする。
そんな主人の気持ちを知ってか、知らずか、今日も元気に洗濯機は回り続けているようだ。