この日、八戸市内はうだるような暑さ。
揺らめく熱気から逃げるように、自動車へと逃げ込み、無為に走ること数十分。
わたしは海にいた。
ここは種差海岸。
海沿いに芝生が広がる、ここいらは草原を撫でながら吹き抜ける海風のせいか気温が1~2度低い気がした。
そういえば昼ごはんがまだだったことを思い出し、近くの食堂に入った。
『食堂 金剛』
窓が開け放たれ、扇風機が回るだけの店内だが、暑さはまったく感じなかった。
不意にラーメンが食べたくなる。この夏の日なのに…だ。
自分でも意外に思いつつ、注文したのが
めかぶラーメン 750円。
エビとムール貝(このへんじゃシューリ貝とも呼ぶよね。)、わかめが入った磯の香り漂うラーメン。
塩味のスープははあっさりしていて主張しすぎない。そこにめかぶの成分が溶け出して恍惚のうまさ。
麺とめかぶとを交互に食い、ときどき汁をすする。
ねばねばこりこりとしためかぶの食感が心地良い。
軽い酸味とめかぶ特有の甘みとがねばりの中に絡み合う。
この酢加減がまた絶妙なのです…。
あまりのうまさにめかぶ単品を別注。『めかぶ(酢の物)』420円。
めかぶにめかぶを重ねるという行為に、お店のおばちゃんが苦笑する。
めかぶ特盛だー!!とはしゃぎつつラーメンを完食。
前に言ったかもしれないが、私は酸っぱい食べ物が苦手だ。お店で酢の物を頼むことはまずない。
このめかぶは、たぶん私の生涯で自発的にたのんだ唯一の酢の物だと思う。
たたみにねっころがりたくなる夏の午後。
うに丼(卵とじ)いちご煮付き 1400円もオススメ。