旧刊時空漂泊

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鉄道ピクトリアル NO.416 特集 飯田線旧型国電

2013-05-21 11:04:16 | 日記
昭和58年5月1日 発行
発行所 鉄道図書刊行会

        

 飯田線は昭和18年に伊那電気鉄道、三信鉄道、鳳来寺鉄道、豊川鉄道が国有化
されて出来た路線です。

    三信鉄道建設の困難さは、その路線のほとんどが、日本列島を構成する地体構造上の境界線となる
   メジアン・ライン(中央構造線)に沿う事実に裏うちされている。巨大な断層線上に位置するために、地
   盤の変化がたえず起こり、そのことが落石のひん発、崩壊事故の度重なる発生要因ともなるわけである。
    そのことにかかわる最大の事故は、橋梁からの電車転落だろう。昭和30(1955)年1月20日21時
   5分頃、田本―門島間で発生した落石は、下り229電車の直前で線路を閉塞し、非常制動の効なくこれ
   に乗り上げたがために、2両編成(モハ14033-クハ18003)の電車は、脱線したまま約50mを逸走
   のうえ、橋梁から転落した。
    車両はともに大破し、死者5名、重軽傷31名を生じている。これほどの惨事に至らなくとも、台風襲来
   による線路不通は、年中行事の感がある。中央構造線の存在に伴う断層活動、地すべり発生によるトン
   ネル崩壊に悩まされ、危険予防措置としての路線変更工事を、絶えず必要とするのが、飯田線の宿命と
   いえるだろう。    (「飯田線形成への途」 中川浩一  15頁)

飯田線の豊橋―辰野間は195kmで、平均駅間距離は2,1kmということです。東京、大阪の「国電」なみですね。

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