バイク試乗/レンタルおよびツーリング日記

お勧めのツーリングコースや試乗、レンタルしたバイクについてレポートします。

トリシティ125 その1

2014-08-24 21:39:32 | バイク試乗、レンタル ヤマハ
 2014年8月24日、25日と瀬戸市のバイク店イトーKTにて、

トリシティ125を1泊2日(4500円)レンタルし、24日に360キロ、

25日に80キロ走行したので早速インプレしたい。


  


8月25日のツーリングルート 360キロ
 
 国道363号⇒ 岐阜県道66号 ⇒ 国道19号 ⇒ 岐阜県道7号 ⇒ 国道256号 ⇒ 長野県道8号

  
国道153号 ⇒ 長野県道59・210・22号 ⇒ 国道152号 ⇒ 国道418号 ⇒ 長野県道1号

⇒ 国道151号 ⇒ 愛知県道21号 ⇒ 国道1号


 本当なら1泊2日でツーリングに行きたかったのだが、25日に用事があったため、

24日の日帰りツーリングが走行の中心となった。



性能

認定型式/原動機打刻型式
EBJ-SE82J/E3P4E

全長×全幅×全高
1,905mm×735mm×1,215mm

シート高
780mm

軸間距離
1,310mm

最低地上高
120mm

車両重量
152kg

燃料消費率 *1
国土交通省届出値定地燃費値 *2
35.8km/L(60km/h) 2名乗車時

WMTCモード値 *3
38.8km/L(クラス1) 1名乗車時

原動機種類
水冷・4ストローク・SOHC・2バルブ

気筒数配列
単気筒

総排気量
124cm3

内径×行程
52.4mm×57.9mm

圧縮比
10.9:1

最高出力
8.1kW(11PS)/9,000r/min

最大トルク
10N・m(1.0kgf・m)/5,500r/min

始動方式
セルフ式

潤滑方式
強制圧送ウェットサンプ

エンジンオイル容量
0.9L

燃料タンク容量
6.6L

燃料供給
フューエルインジェクション

点火方式
TCI(トランジスタ式)

バッテリー容量/種類
12V, 6.0AH(10H)/YTZ7V

1次減速比/2次減速比
1.000/9.533

クラッチ形式
乾式, 遠心, シュー

変速機形式
Vベルト式/オート

変速比
2.361~0.794:無段変速

フレーム形式
アンダーボーン

キャスター/トレール
20°00′/68mm

タイヤサイズ (前/後)
90/80-14 M/C 43P(チューブレス)/
110/90-12 64L(チューブレス)

ブレーキ形式 (前/後)
油圧式シングルディスク/油圧式シングルディスク

懸架方式 (前/後)
テレスコピック/ユニットスイング

ヘッドランプバルブ種類/ヘッドランプ
ハロゲンバルブ/12V, 60/55W×1

乗車定員
2名



 主要な諸元を現状一番のライバルになるであろう、PCX125と

ひとランク上のマジェスティSと比較する下のような数値となる。

    トリシティ    PCX125     マジェスティS

馬力  11PS       12PS      15PS

全長  1,905mm     1,930mm     2,030mm

全幅  735mm      740mm      715mm

重量  152kg      130Kg      145kg

燃費  38.8       50.8      37.1
WMTCモード

価格  35.6万      32.9万     34.9万
(税込)

 3輪にも関わらず、車両はPCXよりコンパクトだが、

車重は20キロ以上増加し、それにともない燃費はPCXより

は劣っているというのが、客観的な状況である。


エンジンフィーリング

 この馬力に、この車重なので、出だしは多少もっさりしているが、

80キロまでは実用範囲なので、街乗りはもちろん、国道23号の

ような流れが速いバイパスでも問題なく使用できる。

 最高速度は平坦路では90キロ程度、下り坂でプラスアルファと

いったところだが、上り坂では斜度によっては60キロが限界となって

しまうので、登坂車線で前方が譲ってくれているのに、

追い越せない状況となってしまうことがある。

 またエンジンを回すとウオーという低い音がして、

その音がパトカーのサイレン音に似ているので、

一瞬ビクっとしてしまうのも少し気になる点である。


    


上り坂で大型トラックに追い越しをかけるのは、かなりの注意が必要とされる。

安定性・コーナリング

 この部分がトリシティの最も特徴的な部分であり、多くのライダーも、最も興味がある部分だと思う。

 まず安定性についてだが、今までのスクーター、いや2輪車とは比較にならないといってもよい。

 下で述べるように今回、険道、酷道と呼ばれる悪路を多く走行し、さらに天候も悪化し土砂降りの雨

となったのだが、普通のバイクならビクビクしながら運転しなければならない路面コンデション下でも、

トリシティは安心して走行することができた。


       
 雨の降ったあとの長野県道8号は細く、曲りくねっていて、路面状況も悪いうえに、そこらじゅうに濡れ落ち葉が散乱しているという状況であったが、
トリシティは恐怖を感じさせることなく、安定した走りを見せた。

     
 日本三大酷道の一つと言われる国道152号は、改良が進んだ部分は走りやすくなったが、未改良の部分は今でも国道とは思えない狭さで、
さらにそこらじゅうに落石が転がっている。

       

     
 追い打ちをかけるように、工事による砂利道が連発。

     
 さらに追い打ちをかけるように、土砂降りに。

 
 コーナリングに関しては、バンクした状態から直立状態に戻った際の反動が大きいとの評判を聞いており、

最初は多少そのような感じがするとも思ったが、30分も運転するとほとんどその部分は気にならなくなっていた。

 ただアンダー気味なので、曲げるという意思をしっかり持たないと、中央線をオーバーする危険性が高くなる。

 一番気になるのが、街乗りで信号待ちの状態から右折、左折する際に、フロントが重いので軽快に曲がってくれない

ところであるが、それはこのバイク最大の特徴である驚異の安定性とトレードオフな部分なのでやむを得ないところだろう。


   
 トリシティ最大の特徴であるフロント二輪。

 ただいくら安定しているからと言っても、やはり無理は禁物で、雨天走行中、国道151号の登りコーナーで白線を踏んでスリップし、

0.5秒ほどコントロールを失う状況(トリシティでなければ転倒していたかもしれない)が発生したことも報告しておきたい。

 またフロントヘビーが原因なのか、私の前にレンタルした人が坂道でUターンしようとして立ちゴケしたらしく、レンタルした車両は

右ブレーキレバーがひん曲がり、カウルにも多少の傷がついていた。


 

ブレーキ

 左が前後連動ブレーキ、右がフロントブレーキとなっている。

個人的にはフロントブレーキの効きが弱く感じたので、最初に左で前後連動ブレーキを

かけスピードを減速し、右のフロントブレーキでストップするというスタイルに落ち着いた。

 いわゆる握りゴケのリスクが劇的に低くなったので、特に下りコーナーで思い切ったブレーキングを

することができる。


 取り回し

車重が重く、停止した状態でハンドルを曲げにくいので決して良好とは言えない。

 燃費

今回のツーリングにおける燃費はWMTCモード値に近いリッター38キロ程度。


メーター、エクステリアデザイン

 
メーターについては、すべて液晶で、オドメーターAB、外気温、オイル交換、ベルト使用距離などの表示が付いており機能的ではあるが味気ない感がある。

     

     
 エクステリアについては、かってのコマジェを思い起こさせるデザインで、可もなく不可もない無難なラインで収めてきた印象をうける。

ただヘッドライトについてはもうちょっと頑張ってPCXのようにLEDライトを採用して欲しかった。


収納

   

 間口は広い反面、底は浅いが、私の持つフルフェイス(ショウエイ XR1100)は収納可能だった。

個人的にはリアボックスは購入時につけたほうが良いと感じた。


総論

 このトリシティ125の安定性、走破性は予想以上で、バイクの一番の問題点である転倒のリスクを大きく低減させており、

従来のスクーターを一気に過去の遺物にしてしまう可能性を秘めた、バイク史に残る大きな革命と言ってもよい。

 三輪バイクはかなり前から存在しており、別に目新しくはないが、世界第2位のバイクメーカーヤマハの品質で、

コンパクトにまとめ、あまり価格を上昇させることなく登場させたことは大きな意義がある。

 さすがに125CCではパワー不足であるが、ヤマハはより排気量の大きな商品も展開することを明言しているので、

今後どのようなバイクが発売されるか今から楽しみである。


 









 

 

 

コメント
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