霞ヶ浦のほとりで

徒然なるままに

新・平家物語

2017-08-02 18:55:59 | 読本
30歳台前半に夢中になって読みました。親子兄弟で戦う[保元の乱]や[平治の乱]では、吉川英治ならではの優しい人間描写に、勝者敗者共に好きにならずにはいられませんでした。
歴史小説は作者の思いや解釈で書かれるので、史実と違っている所もあるでしょう。たしかに昔と今では価値観は異なるでしょうが、喜怒哀楽など人の感情というものは変わらないと信じています。この源平合戦は日本の最高の物語と思います。
読み終えれば、巻頭の「諸行無常の響きあり」がいっそう心にしみ入ります。

孤高の人

2017-07-29 15:54:55 | 読本
新田次郎の山岳小説の中で、何度も読み返したのはこの加藤文太郎の物語です。どうしてこんなにも惹かれ憧れるのでしょうか。
自分を厳しく鍛えて挑戦する冬山の単独行、山に溶け込み厳しい自然を心から楽しむ姿、誠実な人柄描写、等々挙げられます。
単独行と言えば植村直己を思い出させますが、おそらく文太郎を手本にし真似した人は数多いと思われます。もし、もう一度若くなれたら私もその一人になりたいと今でも思います

徒然草

2017-07-24 09:03:51 | 読本
ブログの「徒然になるままに」は、徒然草を手本にしたいなと思ったからです。この吉田兼好の随筆は、現在のブログの先駆的なものと言えるかも知れません。
解説では、内容的に二部(第32段までとそれ以降)に分けられるとのことで、第一部は40歳前頃の感傷的・詠嘆的無常観、第二部は50歳頃の諦観的・実相的無常観により描かれていると述べられています。
これを今の自分に当てはめるとまさに第一部の心境なので、こうなると第二部の心境に達するまで長生きしたいと思うようになりました。

化石生物(題材の発端)

2017-07-11 11:51:38 | 読本
「地球46億年の旅」は朝日新聞出版の50冊シリーズで、地球と生物進化の最新の知見を手軽にビジュアルで得られると定期講読しました。
化石でしか見られない古代生物の生きた姿が描かれており、これを手にしたいと木彫りの題材にしようと思いました。すでに恐竜は彫ってますので、それ以外に挑戦しています。彫っている時は太古の世界に入り込みドキドキワクワクしています。
写真の下の小箱は読者プレゼントで、シリーズの購読者がもれなくもらえるという実際の隕石です。半信半疑でしたが送られてきてビックリしました。

あしながおじさん

2017-07-08 15:43:05 | 読本
中学校で読んだ物語ですが、とても爽やかで素敵な話です。自分もあしながおじさんみたいになりたいと思いましたが、いかんせん足が長くないことと資産家ではないことから、到底無理なことと分かってはいましたが、きっと世の男性も理想としているような気がします。
以前勤めた職場の隣に児童福祉施設があり、泣き続けている乳児から高校に自転車で通学する娘さんまで、大勢の子供達を目にしましたが、この本の主人公ジュディーのようにみんな明るく伸び伸びと育って欲しいと祈りました……と言うより、祈るしかない自分の無力さを噛みしめた時、この本が思い浮かんできました。