からくの一人遊び

音楽、小説、映画、何でも紹介、あと雑文です。

Dire Straits - Sultans Of Swing

2020-05-21 | 音楽
Dire Straits - Sultans Of Swing



遠い遠いあの野原  森山良子



女王蜂 - 火炎 / THE FIRST TAKE



山田庵巳&水ゐ涼 「高速バナナに飛び乗って」 Anmi Yamada & Mizuiryo live at koenji U-hA 2019/12/20




コインロッカー・ベイビーズ

https://www.amazon.co.jp/s?k=%E3%82%B3%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%AD%E3%83%83%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%99%E3%82%A4%E3%83%93%E3%83%BC%E3%82%BA&i=stripbooks&hvadid=335427679364&hvdev=c&jp-ad-ap=0&tag=yahhyd-22&ref=pd_sl_9ag26yi6fw_e

村上龍(むらかみりゅう)。1952年2月19日生まれ、長崎県佐世保市出身。武蔵野美術大学造形学部基礎デザイン科入学中退。大学時代に小説を書き始める。1976年に「限りなく透明に近いブルー」でデビュー。

〇あらすじ
1972年夏、「キク」と「ハシ」はコインロッカーで生まれた。2人は横浜の孤児院で暮したのち、九州の炭鉱跡の島にいる養父母に引き取られる。
多感な時代をその島で過ごしたのち、本当の母親を探してハシは東京へ消えた。そのハシを追って東京へ来たキクは、鰐のガリバーと暮らすアネモネに出会う。キクは小笠原の沖、カラギ島に眠る「ダチュラ」を使ってこの世界を破壊したいと願い、ハシはその生まれもった才能と努力でポップスターへと登り詰めた。「本当の母親」に出会えたとき、2人のとった行動は…。
キクとハシが幼少時に「聞かされた」音とは…。

〇レビュー

この小説は、作者が芥川賞をとった「限りなく透明に近いブルー」から四年程経った時期に書かれた。
恐らく作者である村上龍にとっては作家人生の中で、一番ノリにノッていた時期でもあったのではないか。
この作品の一番の特徴はともかく暴力的で破壊的で、それはほとんど改行のない文章にも表れているのだが、それでいて一種の爽快感もあり、カテゴリーは何になるのだろうと訊ねられたら純文学でもあり、SF小説でもあり、バイオレンス小説でもあり、ともかく「カッコいい」小説というしかない。そのカッコよさを表したのが次の一文。
「生きろ、そう叫びながら、心臓はビートを刻んでいる。」
まるで音楽のロックンロールをも想像させるようなフレーズ。
ところで本作の内容はさまざまな解釈があるが、新生児遺棄事件がモデルになっていることは間違いないだろう。新生児遺棄事件とは、1971年に起こった事件である。生後間もない子どもをコインロッカーに遺棄した事件で、当時話題になった。決して許されないことであるが、婚姻外出産に対して社会保障が整備されていなかったこともあって、子どもを遺棄せざるを得なかったのだろう。
そういう意味では、捨てられた子供の想い、そして運命。子どもが背負った十字架というのも、本作のテーマの1つなのではないかと考える。
本作の結末は、決してハッピーエンドといえるものではないかもしれないのだが、しかし、読後に感じるのは、不思議な高揚感と力強さである。本作では一貫して、人間の生と死を描いているが、それをもう少し違う言葉に置き換えて言うならば、人間と社会の再生と破壊の物語である、とも言えよう。私はそう考えた。
さて、抽象的なことをつらつらと書き連ねてしまったが、最後に当時のエピソードを一つ。今では世界的な作家になってしまったもう一人の村上、「村上春樹」であるが、この小説を読んで、当時彼はジャズ喫茶を経営する兼業作家だったのだが、本作の持つ強烈なエネルギーに揺り動かされて『羊をめぐる冒険』を執筆、それを機に専業作家として出発することとなった。村上春樹は村上龍をライバルとして強く認識していたというコメントを残している。
コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 藤井 風(Fujii Kaze) - "キリ... | トップ | Taco - Puttin' On The Ritz ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

音楽」カテゴリの最新記事