常野物語第3弾。
第1集、『光の帝国』の中の短編のひとつ『オセロ・ゲーム』の続編です。
それぞれ色々な特殊能力をもちながらひっそりと市井に混ざって暮らしている常野一族。
この話の主人公である拝島一家の能力は、街で、あらゆる場所で突然現れる「あれ」
に気付くこと。
そして「あれ」を裏返すこと。
気付いたらすぐに裏返さないと自分たちが裏返されてしまう。
夫が裏返され、失踪して十数年。
娘の時子を育てながら会社の管理職を務める拝島瑛子。
そろそろ時子も就職という年齢になったあるとき、瑛子は会社の慰安旅行先で突然倒れて意識不明の状態になる。
瑛子もついに彼らに裏返されてしまったのだろうか?
途方にくれる時子は、家の冷蔵庫に「なにかあったときに掛けるように」と子供の頃から聞いていた電話番号に電話をする。
そこで出会ったのは「洗濯屋」と呼ばれる人たち。
彼らは裏返された人たちをふたたび洗って元に戻すという。
その洗濯屋の中でも最強の力を持つという青年、火浦が失踪した時子の父と一緒にいるという話を聞く。
「洗濯する」というのはどういうことなのか。
そして「裏返す/裏返される」ということのほんとうの意味は?
火浦は時子たちの味方なのか。
とまあこんな感じでどんどん読んでいけます。
『オセロ・ゲーム』は短編集の中でもおっとりした雰囲気の常野一族の話の中ではちょっと異色で緊迫感がありますが好きな話だったので、続きが出るというのを聞いて楽しみにしていました。
「あれ」が出現する場面やトラウマが絡んでくる恐怖シーンなど恩田さんらしい場面がたくさん登場しますが、会員制のクラブでマジックミラー越しに火浦と時子が人々を見るシーンが幻想的で好きです。
怖かったのは時子の「ボウリングのピン」の理由が判るところ
恩田作品に時折出てくる火浦のような不吉な雰囲気を持った黒の似合う美しい青年(『禁じられた楽園』の烏山響一のようでもある)がすてきなようでイマイチ弱い。
最終的に女性のほうが強いので、どうも影が薄くなってしまいます。
やはり恩田作品の登場人物は女性のほうが魅力的な人物が多いですね。
第1集、『光の帝国』の中の短編のひとつ『オセロ・ゲーム』の続編です。
それぞれ色々な特殊能力をもちながらひっそりと市井に混ざって暮らしている常野一族。
この話の主人公である拝島一家の能力は、街で、あらゆる場所で突然現れる「あれ」
に気付くこと。
そして「あれ」を裏返すこと。
気付いたらすぐに裏返さないと自分たちが裏返されてしまう。
夫が裏返され、失踪して十数年。
娘の時子を育てながら会社の管理職を務める拝島瑛子。
そろそろ時子も就職という年齢になったあるとき、瑛子は会社の慰安旅行先で突然倒れて意識不明の状態になる。
瑛子もついに彼らに裏返されてしまったのだろうか?
途方にくれる時子は、家の冷蔵庫に「なにかあったときに掛けるように」と子供の頃から聞いていた電話番号に電話をする。
そこで出会ったのは「洗濯屋」と呼ばれる人たち。
彼らは裏返された人たちをふたたび洗って元に戻すという。
その洗濯屋の中でも最強の力を持つという青年、火浦が失踪した時子の父と一緒にいるという話を聞く。
「洗濯する」というのはどういうことなのか。
そして「裏返す/裏返される」ということのほんとうの意味は?
火浦は時子たちの味方なのか。
とまあこんな感じでどんどん読んでいけます。
『オセロ・ゲーム』は短編集の中でもおっとりした雰囲気の常野一族の話の中ではちょっと異色で緊迫感がありますが好きな話だったので、続きが出るというのを聞いて楽しみにしていました。
「あれ」が出現する場面やトラウマが絡んでくる恐怖シーンなど恩田さんらしい場面がたくさん登場しますが、会員制のクラブでマジックミラー越しに火浦と時子が人々を見るシーンが幻想的で好きです。
怖かったのは時子の「ボウリングのピン」の理由が判るところ
恩田作品に時折出てくる火浦のような不吉な雰囲気を持った黒の似合う美しい青年(『禁じられた楽園』の烏山響一のようでもある)がすてきなようでイマイチ弱い。
最終的に女性のほうが強いので、どうも影が薄くなってしまいます。
やはり恩田作品の登場人物は女性のほうが魅力的な人物が多いですね。