宙(そら)日記

デモクラティックスクール宙(そら)、神戸サドベリーでスタッフをしていたターボウの個人ブログ

デモクラシーと自由

2008-09-04 00:38:04 | ミーティング、ルール、民主主義
民主主義とは、「人民」が自ら統治を行うことを意味します。


つまり、その人が属している団体がどうなろうと、その結果について団体の構成員全員が責任を背負わなければなりません。


言い換えれば、構成員全員が団体の状態について責任を負うことができる状態、それが民主主義です。


その状態は制度・規則によって維持できるものではありません。


よく知られているように、1933年にドイツではナチスが議会第一党になりました。これは、民主主義が自ら民主主義を放棄する第一歩となりました。


人民自らが、団体の状態について責任を負わず、その責任・権限を特定の政党や個人に委ねるとき、民主主義はそこで亡くなります。


だから、民主主義は、つねに「構成員全員が団体の状態について責任を負う」と全員が意志していなければ、存続しえないのです。


それゆえ民主的団体では、団体のある構成員がその団体に損害・悪影響をもたらす行為を行った場合、他の構成員がその理由を問いただし、以後同じようなことを起こさないように要求する必要があります。


そう要求する義務が構成員に課されている訳ではありません。


ただ構成員たち自身がその団体をデモクラティックなものにしたいのなら、自覚的に自らと他の団体の構成員の行為についてチェックする姿勢をもっていなければなりません。


そのようなチェック自体が、「人民」による統治です。


デモクラティックスクールは、ミーティングを行いみんなが投票権をもっていればデモクラティックスクールになれるわけではありません。


メンバーひとりひとりが、自分たちの学校をいいものにしたいという自覚をもち、その自覚にのっとって自分と他のメンバーの行為をチェックし、また自らあるべきルールを設定することによって初めて、デモクラティックスクールとして成立します。


どのような点でメンバーの行為をチェックすべきか、どのようなルールを作るべきかなどは、スクール毎で違ってくるでしょう。メンバーが変われば、チェックする際の基準も変わってくるからです。


私はほかのデモクラティックスクールを詳しく知りませんが、きっとデモクラティックスクールはそれぞれでいろいろな特色をもっていることでしょう。国・場所によって変われば、歴史によっても変わってくるでしょう。


ただ、それでもすべてのデモクラティックスクールに共通するものがあるとすれば、メンバー自身がその学校をどうしたいかという“意志”をもっていることです。


この“意志”こそ、わたしたち人間がもつものの中で最高のもののひとつではないでしょうか。


意志があるからこそ、私たちは自分の“したいこと”をすることができます。


つまり、意志があって初めて、自由は存在するのです。


デモクラティックスクールの中で、自由と民主主義はまさに分かちがたく結びついているのです。




>>子ども「が」まなぶ 「超」学校。
    都会のサドベリー・スクール
    デモクラティックスクール 宙(そら)

 〒662-0837 兵庫県西宮市広田町2-15
 Tel/Fax 0798-70-0777
 公式HP


日本におけるデモクラティックスクールの「これまで」と「いま」を紹介した『自分を生きる学校』(デモクラティック・スクールを考える会編 せせらぎ出版)好評発売中


参考:「こんな学校が!」 あみさんの「成幸哲学」-“いつも心に笑みを”

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ありがとうございます (あみ)
2008-09-05 07:21:32
Sola様、ブログをご紹介いただきましてありがとうございます。
当日は、本当にありがとうございました。
大いに今後のご活躍を期待しております。
パイオニアはいつも大変ですが、そこから未来が変わります。
(ブログ加筆いたしました)
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ありがとうございます。 (ターボウ)
2008-09-05 10:54:20
あみ様。はじめまして。(^-^)コメントありがとうございます。

こちらこそ、デモクラティックスクール(サドベリー・スクール)を紹介してくださって誠に有難うございます。

日本でもすでに10年前からデモクラティックスクールは存在し、宙(そら)も4年前から活動しています。

一見非常識なことをしているように見えて、子供たちの成長にとってとても適切な場を提供しているのがデモクラティックスクールである、と私たちは考えています。

この素晴らしさをもっと多くの人に知ってもらいたいと思っています。

『自分を生きる学校』(デモクラティック・スクールを考える会編 せせらぎ出版)という、日本でのデモクラティックスクールのこれまでと現在の様子を紹介した本もありますので、機会があればぜひ手に取ってみてくださいね。(^-^)/


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