宙(そら)のメンバーの最年長は16歳の男の子ですが、ひとりの15歳の男は来年卒業することにきめています。
彼が高校に行くつもりなのか、それとも働くつもりなのか、私は知りません。
デモクラティックスクールをアメリカで創始したサドベリー・バレー・スクールでは、学生のほとんどが大学に行くことで知られています。ハーバード大学に行く学生もいるそうです。
サドベリー・スクール(デモクラティックスクール)はその事実によって多くの人の注目を集めているのかもしれません。
強制的な授業もテストもないサドベリー・スクール。多くの人はその事実を聴いてびっくりし、さらにそういう学校からほとんどの子供が大学に行くと聞いてさらに驚かれるのでしょう。私も最初驚きました。
宙(そら)からも、高校に行って、そこから大学に行った子供もいます。
では、デモクラティックスクールの価値は、大学に行くことができるということなのでしょうか?
高校卒業の資格を取るとか、大学卒業の資格を取るとかは、生きていくための戦略として有効な場合もあるかもしれません。
でも、デモクラティックスクールの価値は、大学進学率が高いといった点にあるのではないでしょう。
ある著名な作家・コンサルタントでお子さんをデモクラティックスクールに通わせている方は、
「デモクラティックスクールに来るということは、それだけでもう世の中の常識には染まらないと覚悟することです。ここに来た以上は普通の生き方はできないですよ、と親御さんに覚悟してもらう学校なんです」
「高卒の資格とか、そういうものに頼らないで生きる力を得ることが、デモクラティックスクールのいいところです」
と(笑いながら)力強くおっしゃっていました。
アメリカのデモクラティックスクールで大学に行く人が多いのは、アメリカが実は日本よりも遙に学歴社会であるという事実が影響しているのかもしれません。詳しいことはまだ知りません。
日本のデモクラティックスクールはまだ歴史が浅いので、子どもたちがどういう進路を取るのか、はっきりとした傾向はありません。
あるお子さんと親御さんが宙(そら)に見学に来たとき、代表の倉谷はこう言いました。
「デモクラティックスクールに子供が通ったら、子供が医者になって欲しいとか親が思っていても、そうなるかどうかは分りません。
でも、幸せにはなります」
それはとても印象的な言葉です。
そう、デモクラティックスクールに来れば、いい学校に行けるかどうかは分りません。
でも、幸せにはなります。
>>子ども「が」まなぶ 「超」学校。
都会のサドベリー・スクール
デモクラティックスクール 宙(そら)
〒662-0837 兵庫県西宮市広田町2-15
Tel/Fax 0798-70-0777
公式HP
日本におけるデモクラティックスクールの「これまで」と「いま」を紹介した『自分を生きる学校』(デモクラティック・スクールを考える会編 せせらぎ出版)好評発売中 宙(そら)のメンバー・保護者・スタッフも書いてます。
「民主主義の学校」犬も歩けば棒に当たる