宙(そら)日記

デモクラティックスクール宙(そら)、神戸サドベリーでスタッフをしていたターボウの個人ブログ

ミーティングでスタッフはどうあるべきか

2008-11-24 11:54:29 | ミーティング、ルール、民主主義
22日に行われたデモクラティックスクール・ネットワーキングで、あることが話題になりました。


それは、デモクラティックスクールの核であるミーティングで、大人はどこまで介入すべきか、という話題です。大人と子供が平等な一票をもつミーティングにおいて、大人はどこまで話し合いに自分の意見を主張すべきなのでしょうか?


宙(そら)のスタッフのぐらは、堂々と、自分はミーティングで自分の意見を言うし、どうすれば自分の考えがミーティングで認められるかを考えて発言する、と言います。


実際、宙(そら)のミーティングでは、大人がどんどん自分の意見を主張します。


大人と子どもが対等に議論する。それは、大人が子供のために手加減して議論することとは違います。


“議論”というものは、その場で意見を出し合う場です。“その場”で出される意見について検討し合います。逆に言えば、“その場”で出されなかった意見は、それがどれほどいい意見であっても、検討されることはありません。


そのため、“いい”議論をするためには、“その場”で議題に関して参考になるようなよい意見を考え出して口にしなければなりません。


これは簡単なことではありません。人と対面するという多少緊張する状況の中で、議題に適切に関連する意見を考え出し、それを相手にわからせる形でうまく伝えなければならないからです。


このことを首尾よく行うには、場数を踏んでいる必要もあります。また、生まれつきそういうことが得意な人もいれば、苦手な人もいます。


議論が上手であることと、頭がいいことやどれだけその話題についていい意見を考えているかは、必ずしも結びついているわけではありません。


議論のこういう性格から、議論はどうしても大人の方が子どもよりもうまくなる傾向はあります。


単にものを考えるのではなく、それを口に出して言うためには、スキルや慣れが必要だからです。


しかし、だからと言って、大人が子どもと議論するのに、手加減して思っていることを口に出さないのは、フェアではありません。


議論である以上、そして大人と子どもが対等な立場に立っている議論である以上、大人は自分の意見を言うべきです。


そうすると、大人が子供より意見を押し通すことが多くなると思う人も多いでしょう。


実際はそうでもないんですね。宙(そら)では、大人が言いたいことを言うため、子どもも議論に慣れているので、自分の意見を主張することに長けています。


デモクラティックスクールは、学校でありながら、現実の社会と似た構造をもっています。またそれが子どもが育つ場である上で、強みとなっています。


現実の社会に似ている以上、ミーティングの議論だけは、大人はあまり言わないというのも不自然です。対等な立場で学校を一緒に作り上げているのですから、大人も言いたいことをどんどん言ったほうがいのではないでしょうか。


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デモクラティックスクール・ネットワーキング 2008 in まっくろくろすけ

2008-11-24 00:45:05 | お知らせ
11月22日、まっくろくろすけ(神崎郡)で「デモクラティックスクール・ネットワーキング」が開催されました。出席者の一人としての感想を書きたいと思います。

この集まりには、現にDSを運営している人やこれから立ち上げようとしている人、DSに興味のある人などいろいろな人たちが集まって、DSについておしゃべりしたり話し合ったりしました。

主催者のウータンからの報告もあります。


今回の集まりは三つのプログラムからなっていました。

・アメリカの旅の体験談を分け合う

ボストンのサドベリー・バレー訪問について体験者の方々の感想です。実際に行かれた方がダニエルさんのメッセージをたくさん運んできてくれました。

・サドベリーバレーからのゲスト(使者)の招聘について

サドベリー・バレーで長年スタッフをされている著名な方々を日本によぶかどうかという議論が今回の集まりで本格的に始められました。

現在のところ、積極的な人もいればそうでない人もいます。

この著名な方々を呼ぶのには金銭面の問題もクリアしなければなりませんし、呼ぶ以上は誰かの指揮のもとで多くの人が動く必要があります。

呼ぶべきなのかどうか、呼ぶとしたらいつなのか、これから議論がなされていきます。

わたし個人の意見としては、サドベリーに対する関心が高まっている現在(いま)、社会全体への呼びかけのためにも、呼ぶのはいいタイミングなのでは、と思っています。

・サドベリーバレーでの子ども達へのインタビュー *ビデオ上映

アメリカに行かれた方々が向こうで子どもたちにインタビューしてきた映像を見せてくれました。



今回の集まりは、これから各地でDSを立ち上げたばりだったり、まさに立ちあげようとしている方々の熱気で溢れていました。まさに、“時代が動いている”とうい感じです。この方がたの多くはまだ小さなお子さんをお持ちの人たちで、自分の子のために新しい学校を作ろうとしています。


そんなお母さんが増えるなんて、これまでの日本の歴史であったのでしょうか?!?!

会場は多くの女性たちの子どもへの愛で溢れていて、男の私は立ち位置がわからなくて戸惑ってしまいました。あせあせ



集りの最後で主催者のウータンが「ひとりひとり感想を言ってもらうと時間がかかるので、それぞれ頭に浮かんだ言葉を一つ言ってください」という提案をされました。

わたしは「母性」という言葉を選びました。なんだか母親たちの子どもへの愛にあふれていたのです。

みなさんの熱気におされた一日でした。