あび卯月☆ぶろぐ

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丸岡アナの「御心ずかい」

2009-03-18 02:55:56 | マスコミ・新聞
日本テレビの丸岡いずみアナが「おもいッきりイイ!!テレビ」で麻生首相の誤字を指摘して、反対にそれは間違いではないのではとの批判を受けている。
丸岡アナが誤字を指摘したのは麻生首相が女性記者らに送った礼状の文面。
そこに「御心ずかい」とあったのを「御心づかい」が正しいとやった。

確かに現代表記でも「心遣い」は「こころづかい」が正しい。
今現在ウィキペディアの丸岡いずみの項には「旧仮名遣いでは「御心ずかい」の方が正しく」とあるが、これは間違い。
旧仮名遣いでも「づかい」が正しい。
じゃあ、麻生首相の表記は間違いだったのかというとこれは少し難しい問題になる。
というのも、終戦後の昭和二十一年に示された内閣告示(第三十三号)で現代仮名遣いでは「づ」は基本的に廃止して「ず」を用いると定められ、これが廃止される昭和六十一年まで「遣い」の正式表記(註)は「ずかい」だったのだ。
当時の広辞苑を開いても「心ずかい」とある。
つまり、麻生首相の世代は「ずかい」で習ったことになる。
まとめると、今現在の内閣告示によると「遣い」は「づかい」が正式とされているが世代によっては「ずかい」と表記する場合もあるといったところだろうか。
それに、私信の文面で仮名遣いが正式でないことなど、旧仮名遣いを用いていた戦前でもよくあったことだ。
だから、「ずかい」を誤りとするのは少々微妙な問題になる。
まぁ、正假名(歴史的假名遣ひ)派の私にとっては「遣い」の仮名表記は断然「づかひ」で、それ以外の表記は誤りだなんて言いたいところであるが。

そもそもこの件については前段があって、バレンタインデーに首相番の八人の女性記者が麻生首相にチョコをプレゼントしたことに始る。
麻生首相はホワイトデーのお返しにICレコーダーをプレゼントして、これには「これで発言を録音して正確な報道を心掛けてください」との皮肉がこめられていた。
良く言えばエスプリをきかしたともいえる。
皮肉で返された記者は我慢ならない。
そこで、添えられていた首相直筆の礼状に目をつけた。
みると、「ずかい」とある。
さっそく、日刊スポーツにリークして「麻生首相の無知が久々に炸裂!「ずかい」」という記事を書かせた。(※現在はネット上から削除されている)
それを受けてか丸岡アナもいっちょう麻生首相を叩いてやれと「ずかい」は間違いとやったわけだ。

表記が間違いかどうかという議論はさておき、批判のために礼状を晒すという神経を私は疑う。
そしてそれを嬉々として論う丸岡アナ他の精神構造も。
丸岡アナ個人の意思ではなく台本があったのかも知れないが、いづれにしても“心ずかい”がない話だ。
だいたい、漢字や仮名の間違い以外に首相を叩く手段はないのか。
きけば、丸岡アナは報道記者だという。
一体、ジャーナリズムとはなんだ。

TBSではアナウンサーがストラキをやった。
日本テレビも真似してストライキをやればいい。
そう、永久に。


******
註:「正式表記」とはあくまでも政府が定めているもので、論理的に考えたらおかしなものも沢山ある。
特に現代假名遣いは日本語のロゴスをかなり無視して定めているものが多く、私はこれを正しい表記だとは認めていない。
だから、丸岡アナの「いずみ」という表記も「泉」をもとにしているとすれば誤りだともいえる。
というのも、「泉」は現代表記では確かに「いずみ」だが、語源を遡れば、水が出るところ、つまり「出づる」「水(み)」が合わさって「いづみ」になっている。
旧仮名遣いでも勿論「いづみ」と表記した。
それが、戦後になって「づ」が追放されて「いずみ」になった。
このとき「遣い」も「ずかい」にされたが、これはオカシイという人が多かったのだろう、のちに「づかい」に戻された。
ところが、「いずみ」はそのまま。
政府が仮名遣いを勝手に定めるとこういうややこしいことが起こる。
政府の気分次第でいつ「いづみ」が正式になるかもしれない。
そのとき、丸岡さんは子供から「あんたの名前は間違いだ」なんて言われたいだろうか。

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4 コメント

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本記事からは、いろいろな感想が出てきますね (粗忽亭主人)
2009-03-18 11:42:52
その一
禮状といへば私信の範疇でせう。その文面を勝手に公開して、批判するといふのはひどい話ですね。それも文面そのものに問題があったとかいふのならまだしも、單なる表記の問題で。これには麻生首相に批判的なわたしでも同情したくなります。

その二
ウィキペディアにそんなことが書いてありましたか(って、いま確認してきましたが、いまだにそのままですね)。あひかはらずウィキペディアの記述といふのは、安易に信用するとやけどをしかねませんね。もっともこれはウィキペディアだからだ、とばかりも言へない問題で、わたしの持ってゐる電子辭典では「ブリタニカ国際大百科事典 小項目版」でさへも、「関が原の戦い」の項で結城秀康を家康の長男と書いてあったりするやうな我が目をうたがふまちがひがあったりしますけどね。

その三
現代仮名遣いの非論理性、といふか一貫性のなさを象徴するやうなはなしですね。たとへば、「人妻」は「ひとづま」なのに「稻妻」は「いなずま」だなんて、こんなものを定めた人の精神構造をうたがひます。もしわたしが國語審議會の委員であったら、こんな答申を出すことになるのなら、即刻抗議の辭任をするでせう。こんな大たわけな答申を出した委員の一人としての汚名を甘受できるほど、わたしは人間ができてゐませんからね。
返信する
Unknown (Unknown)
2009-03-18 13:35:03
電子辞書を贈ったという事実はないし、記者の名前もまちがっている。首相官邸か麻生事務所に問い合わせて事実を確認して書くべきだ。
返信する
>粗忽亭主人さんへ (あび卯月)
2009-03-18 22:24:35
コメントありがたうございます。

やはり一番の問題は礼状の間違ひをあげつらふのは人としてどうなのかといふことだと思ひます。
麻生びいきの私は余計に同情したくなりました(笑)

ウィキの記述は本当にアテにならないですね。
実は私の教授もウィキに項目があるのですが、「間違ひだらけ」と笑ってゐました。
私が「直しておきませうか?」と言ふと「別にいいよ」と気にしてゐないやうでしたが。
「ブリタニカ国際大百科事典 小項目版」も酷いですね。
ウィキなんかより信用度が高い分、タチが悪いですね。
さういへば、新明解国語辞典(第五版)にも「第三国人」の項に「敗戦後の一時期、在日朝鮮人・同中国人を指して言った語」とあります。
御存知のやうに三国人は敗戦国でも戦勝国でもない国(つまり第三国)の人間を指す行政用語のはずですから、中国人は戦勝国人であり、三国人ではありません。
この間違ひ、石原慎太郎知事もやっているやうです。

現代表記はまことに一貫性がないですね。
「地球」は「ちきゅう」なのに「地面」は「じめん」だとか。
「地」は総て「ち」に統一して欲しいものです。
「現代仮名遣ひ」だけでなく、戦後のドサクサに定められたものはかなりいいかげんなものが多いですね。
そして、いいかげんなのにその後長い間日本を縛りつけてしまったものが少なくありません。
その最たるものが憲法だと私なんかは思ってゐます。
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>Unknownさんへ (あび卯月)
2009-03-18 22:38:44
御指摘まことにありがとうございます。
女性記者が首相に電子辞書を送ったというのはとあるサイトで得た情報なのですが、そのサイトだけの情報を信用してしまった私の手落ちです。
早速、弊記事の該当箇所を訂正いたしました。
この場を借りてお詫びいたします。

念のため、麻生太郎事務所に電話をして問い合わせてみようと思いましたが、夜の九時過ぎとあって繋がりませんでした。
明日、時間があればもう一度連絡してみようと思います。

最後に言い訳がましいことを言いますが、私は個人の趣味の範囲内でブログをやっているもので、情報源はせいぜい新聞、テレビ、雑誌、本、ネットくらいのものです。
もちろん記事を書く際は嘘や誤りがないように細心の注意を払っていますが、私はジャーナリストではありませんので、毎回、本人の周辺(今回でいうと首相官邸や麻生太郎事務所)に確認取材を行っているわけではありません。
それゆえ、しばしばこういう間違いを犯してしまうのですが、今後はより一層気をつけたいと思います。
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