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北海道の失敗、クロマグロ取りすぎ 他県に動揺(日本かつおまぐろ)

2017-10-22 10:14:27 | 日記

北海道の失敗、クロマグロ取りすぎ 他県に動揺
2017/10/21 20:00日本経済新聞 電子版
資源回復のため漁獲上限を設けている太平洋クロマグロの管理に北海道が失敗し、全国のマグロ漁業者に不安と不満が広まっている。
大型まき網漁船へのクロマグロ漁獲枠配分の見直しを求める声も根強い(鳥取県境港)
7月に新しい漁期が始まってまだ4カ月。漁獲枠を共有する20道府県の定置漁業者は、北海道での取れすぎのため漁の自粛を余儀なくされた。これから本番を迎えるサケやブリの定置網にクロマグロが混じって捕獲されることも多く、定置網での漁獲超過が続けば、釣り漁船の枠が削減される可能性もある。
前期(2016年7月~17年6月)も25道府県が漁獲枠を守れず、国際会議で決めた日本の漁獲上限(小型魚4007トン)を333トン超過した。今期の枠を削って、国際約束を守る姿勢を示しているところだ。
2年連続で国別上限を守れなければ日本の信用はがた落ちになる。水産庁は23日、都道府県の担当者による緊急会議を開き、上限突破を避けるための対策を協議する。
突発的な大漁に対応しきれない制度自体の欠陥を指摘する声も多い。
強制力のある規制、漁獲可能量(TAC)制度が18年からクロマグロにも適用されるのを前に、漁獲枠超過分を金銭で精算する仕組みを含め、枠の配分や調整方法の根本的な見直しを求める声も出てきている。
■初日で枠を突破
水産庁によると、将来の親魚として特に手厚く保護している体重30キログラム未満の未成魚(小型魚)の漁獲上限(7月からの1年間)を全国で580トンと決めている定置網では、10月6日時点で770トンも漁獲があった。
北海道が57トンの枠配分に対し540トンも取ったことが原因だ。そのあおりを受けて、枠を共同管理する20道府県は6日付でクロマグロ漁獲を自粛することになった。
南かやべ漁業協同組合(函館市)では、新しい漁期が始まった7月の初日に同漁協に認められた30トンの枠を突破。ブリやサケの漁期に入ってもクロマグロの混獲が続いた。特に9月28日以降は連日のように大量水揚げを記録し、同漁協管内だけで7月からの累計水揚げ量は450トン規模になるという。
漁協幹部は「ブリだと思って漁獲し、マグロだとわかった後でも放流して資源として再生できるか疑問だった」などと説明する。クロマグロ狙いの操業という疑念は払拭できず、水産庁や道庁への釈明やお詫びに追われている。


■未承認漁船も横行
釣りが中心の松前さくら漁協(松前町)では、規制の適用を受けない遊漁船に混じって、地元の漁師も未承認漁船でクロマグロをとった。道庁は23日に現地に職員を派遣し、事実関係を詳しく調べる。16年の長崎県や三重県などでの未承認漁船の操業発覚時と同様、水産庁が立ち入り調査する可能性もある。
漁獲規制の適用を受けない釣り人がクロマグロを釣って、販売しているという情報も現地では飛び交う。釣り人規制も今後の焦点になりそうだ。
水産庁は「生きた魚は放流」「死んだ魚は水揚げ」と都道府県に指導している。しかし、北海道庁は漁獲超過を受けて、管理計画で生きた個体に限定していた放流の対象を生死を問わず小型魚すべてに変更した。


クロマグロ漁獲急増 北海道で割当枠の10倍、水揚げ中止 水産庁、緊急対策協議へ
2017/10/21付日本経済新聞 朝刊

 北海道でクロマグロの漁獲が急増している。資源保護のため漁獲制限している小型魚(30キログラム未満)が豊漁で、既に漁獲枠の10倍近くに達した。このため北海道庁は洋上投棄を容認、漁業協同組合に水揚げを中止するよう指導した。北海道の大幅超過で漁獲枠を削られる可能性のある他の都府県の反発も広がっている。異例の事態に水産庁は23日、全国の水産担当者を集め緊急対策会議を開く。

定置網に加え、漁業者による釣りでも小型のクロマグロの漁獲量が増えている
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定置網に加え、漁業者による釣りでも小型のクロマグロの漁獲量が増えている
 水産庁によると、定置網による親魚に育つ前の小型魚(未成魚)の全国の漁獲量は、10月上旬で770トンに達した。漁が始まる7月から1年間の漁獲上限は580トン。既に大幅に上回っている。

 大きな原因は北海道での取れすぎだ。定置網では57トンの枠の10倍近い540トン、釣りでも枠の3倍近い134トンが漁獲された。規制を受けない遊漁船に交じり、地元漁師が未承認の漁船でマグロを追う例もあるという。

 北海道南部では今夏に小型のクロマグロの大群が現れ、漁のシーズン初日だけで割当枠を超える漁協もあった。ブリやサケの漁期に入ってもクロマグロが一緒に取れる「混獲」が続いている。

 水産庁は資源管理のため生きた魚は放流、死んだ魚は水揚げして漁獲報告するよう都道府県を指導している。道庁はこのほど道南地区の漁協に小型魚の荷受けを禁止するよう指導。「生きた魚」に限ってきた再放流の対象を広げ、死んでいる魚の投棄も事実上認める方針を打ち出した。道庁は「死んだと偽り水揚げするのを禁止するため」と説明しているが、漁業関係者は「全ての魚を生かしたまま放流できるはずがない」と当惑する。

 水産庁は洋上投棄を助長しかねないと道庁に見直しを指導する考え。さらに漁協への出荷の道を閉ざす弊害を指摘する声もある。漁業者がひそかにマグロを持ち帰り、ヤミ取引に回したり、産直のネット通販に出荷したりするからだ。

 クロマグロの漁獲管理は地域別に上限を超えると、翌シーズン以降に超過分を返済する仕組み。今シーズンは国内の枠をやりくりして調整するため、北海道以外の産地は漁獲枠の割り当てが目減りする可能性が高い。「枠を削減されれば、損害賠償も視野に入れている」(長崎県内の漁協)という動きも出ている。

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