<うそごと>はお好き?

管理人・葉山羽魚(ハヤマ ウナ)の人生は読書演劇妄想人形美酒シゴト。

読書感想文

2005-06-05 | エッセイ
読書感想文(最近小説更新がないので)

●山田詠美
~「風味絶佳」(文藝春秋)新刊
ヤッホー、このところは
1年に1冊、新刊が出るか出ないかの詠美おねえさまの本ざんす。
20周年記念短編集は、肉体労働者に恋する話。
下水道掃除、火葬場、とび職、引越屋、
ガソリンスタンド、そしてゴミ収集・・・・・・。
ゴミ収集の人が出てくる話は、ほんと料理の過程がおいしそーだった。
表題作は、もうこれぞ詠美さんの理想像ではないかという
グランマ(おばあちゃん)の話。
森永キャラメル見つけたら「滋養豊富 風味絶佳」の文字、探さなくちゃ。
一番好きなのは、「海の庭」かな。
離婚した母と娘と、母の幼なじみの引越屋さん。
しみじみだけど地味地味じゃないのよ。ふうみぜっか。

~「快楽の動詞」(ベネッセ)(多分どっかから文庫出てる)
これは10年以上前に書かれたもので、
私はてっきりエッセイ集だと思っていたのだが、
「クリティック小説」というものらしい。
とりあえず読んでみたら、いわゆるユーモア小説だった。
というか小気味いい皮肉小説。
山田詠美はこういうのも書けるんだぜい!! あー。面白かった。
笑いながらニッポンの男と男の書く(官能)小説の問題点が
わかっちゃう本です。ぜひ。

●平野啓一郎
~「高瀬川」(講談社)
平野啓一郎ってみなさん覚えてらっしゃいますか?
私が高校生だったころ(って6,7年前だが)、
漢検1級くらいの見たこともない難解な漢字が羅列された小説を書いて、
当時の最年少23歳で芥川賞をとった京大生がいました。
私は「ふんぬー」と思い(何故?)、読もうとしたのですが
「漢字」に「ルビ」がふってなくてだなー、無理だったよ。
とりあえず文字を追ったものの「だ、誰かが、死んだ(かも?)」
くらいしかわからなかったわよ。
それがこの平野君です。頭いい人です。
理系も文系もOKという嫌みな奴だったに違いない(推測ってか妄想)。
これは大丈夫! 普通レベルの漢字だから。日本語だから。短編集だし。

で、私はタイトルを見て、
「ああ、平野君(そう呼ぶことに決めた)が
 森鴎外に挑戦したんだ。安楽死の話かな?」と思ったが
それは高瀬舟ですよ。全然違うし。

こんなにエロくない性愛小説は初めてでした。

「氷塊」がすごいんだよー。
上下2段で全然違う人の人生が、ある1点で交錯するんだよ!
読みにくいけどね! 小説ってこういうのもアリなんだね。すごいな。


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