【実録】会計事務所(公認会計士・税理士)の経理・税金・経営相談

大阪市北区の築山公認会計士事務所(築山哲税理士事務所)です。
身近な疑問の解説と役立つ情報の提供をさせていただきます。

元入金と事業主借

2007-11-19 09:12:05 | 所得税の確定申告
「元入金」とは、事業主が事業を開始するに当たって用意した資金で、いわゆる開業資金のことです。
「事業主借」とは、事業資金に不足が生じた際に、事業主が生活用の資金で事業資金の穴埋めをした金額のことです。

会社形態の経理をご存じの方でしたら、元入金が資本金(純資産)に、事業主借が借入金(代表者から)に相当することをご理解いただけると思います。
しかし、会社の場合には、事業主(通常は大株主兼代表取締役)と会社が法的には別個の存在であるのに対して(課税もそれぞれにされます)、個人事業の場合にはこのような区分はありません。
つまり、個人事業者の経理においては、事業と私生活を帳簿の上でだけ区分して、生活用の資金の変動が事業資金に影響しないようにするためにこのような方法を用いているということです???

■元入金の変動
一年が終了し次の年度(暦年)になれば、元入金は次のとおり変動します。
「前年末の元入金+前年の事業主借+前年の事業所得-前年の事業主貸=当年の元入金」
個人事業者用の財務会計ソフトでは、繰越処理をすればこの計算を自動的に行うようになっていることが通常です(弥生会計ではこのようになっています)。

■引出金?
確か、そのような勘定科目もあったと思います。引出金=事業主貸でいいのではないでしょうか?