【実録】会計事務所(公認会計士・税理士)の経理・税金・経営相談

大阪市北区の築山公認会計士事務所(築山哲税理士事務所)です。
身近な疑問の解説と役立つ情報の提供をさせていただきます。

インボイス制度に対応するためのコスト

2022-08-02 18:00:00 | 消費税
インボイス制度導入を前にして、経営的に気がかりなのはインボイス制度に対応するためのコストです。インボイスに関する事務処理は思いのほか労力を要します。ITに頼り切っているだけでは適応できません。

◆請求書フォームの見直し

インボイス(適格請求書)のことを今まではなかった特殊な様式の帳票であると思っている人が多いです。しかし、インボイスは従来の本体価格と消費税額が記載された請求書に登録番号を付け加えただけのものです。登録番号は社名(個人の場合は氏名)の下部に「登録番号T・・・・」と記載します。

現状の請求書の用紙が余っている場合には、登録番号を追加で記載すればいいということです。登録番号は手書きやゴム印で記載しても構いません。

◆得意先への連絡

得意先への連絡はインボイス制度導入後最初の請求時でかまいません。ただし、仕入税額控除の適否に関して(適格請求書発行事業者の登録をしているか否かを)、あらかじめ調査をしてくる得意先に対してはその調査に応じなければなりません(登録番号を知らせる)。

◆各種業務ソフト(販売、会計など)のバージョンアップと追加購入

各種の業務ソフトはインボイス制度導入を機に処理手順や処理結果(帳票など)が変わってきますので、バージョンアップや追加購入をしなければなりません。特に変化が大きいのは、消費税の申告に直結する会計ソフトです。インボイスの「発行と入手」、個々の取引を処理する段階で明らかにしておく必要があります。

◆支払先の登録状況を調査する

インボイス制度は正確な「仕入税額控除」を確保するための制度です。インボイス制度においては、インボイス(適格請求書)がなければ仕入税額控除ができません。仕入税額控除の計算はインボイスを入手した取引のみを抽出し集計することにより行わなければなりません。

支払先がインボイスを発行できる適格請求書発行事業者であるかを、請求書が送られてくるまで待っているわけにはいきません。請求書が送られてきて「適格請求書発行事業者ではなかった」ということが判明しているようでは遅いです。それでは仕入税額控除ができません。

◆適格請求書発行事業者である支払先からインボイスを入手する

支払先が適格請求書発行事業者である場合には漏れなくインボイスを入手しなければなりません。支払先が適格請求書発行事業者であっても、その支払いに際してインボイスを入手していなければ仕入税額控除はできないのです。

◆取引関係の見直し

適格請求書発行事業者でありながらインボイスを発行しない
課税事業者でありながら適格請求書発行事業者の登録をしていない
適格請求書発行事業者でないのに消費税相当額を請求してくる

このような支払先があると事務処理が大変です。このあたりが、インボイス制度が取引関係の見直しにつながるといわれる理由です。

【PR】記事の内容と直接的な関連はありません。