【実録】会計事務所(公認会計士・税理士)の経理・税金・経営相談

大阪市北区の築山公認会計士事務所(築山哲税理士事務所)です。
身近な疑問の解説と役立つ情報の提供をさせていただきます。

リアルタイムの記帳はどこまで可能か?

2018-10-20 11:01:00 | 経理業務(帳簿の作成)
記帳(仕訳と総勘定元帳への記録)は、リアルタイム、つまり取引が生じる都度とまではいかなくても、取引が生じた日のうちにしておかなければなりません。記帳処理が溜まってしまうと一度に大量の事務処理をしなければならず、そのことが集中力を欠く原因となり単純なミスを多発させます。また、取引から日数が経過すると記憶が薄れ事実関係が不透明な処理が行われてしまうおそれがあります。

しかし、取引の発生日から相当遅れて記帳をするしかない場合もあるのです(この場合も仕訳の日付は取引発生日になります)。

◆締め日(計算期間を設けて一定期間分を一括して処理する)

「締め日(しめび)」とは計算期間の終わりのことです。通常、計算期間は1か月で「毎月1日から月末」「毎月21日から翌月20日」といった具合です。計算期間を定める理由は、計算を確定するための取引先との調整、担当者間の連絡のために日数を要するからです。決して、「面倒なのでまとめて」というわけではありません。

計算期間を設けて処理するものの典型は売上と仕入です。売上にせよ仕入にせよ、日々生じています。しかし、数量や金額が直ちに確定しない(後ほど変更される可能性がある)など、日々計上ができない理由がある場合もあります。このような場合に計算期間を設けるというのが一般的となっています。

IT化や取引条件の明瞭化(昔のような馴れ合いがなくなり、互いに不信感と緊張感を持って取引をするようになった)が進み、リアルタイムでの取引金額の確定が相当可能となってはいますが、業種によっては計算期間を定めて金額を確定するしかない場合が今も相当あります。ただし、計算期間の金額を確定しなければ代金の決済が遅れますので、可能な限り早期に金額を確定させるための企業努力を怠ってはいけません。

なお、計算期間を設ける場合の処理日、つまり仕訳の日付は締め日になります。締め日が月末であれば、月末の日付で計算期間合計額を計上します。

◆決算仕訳

決算仕訳は取引先から入手した基資料によるのではなく、会社独自の計算に基づかなければならないものがあります。また、特定の勘定科目が確定しなければできない仕訳(減価償却や貸倒引当金など)、未払税金(法人税、消費税)のように全ての勘定科目が確定できなければできない仕訳もあります。ですから、これもリアルタイムとは行かないのです。

★決算は何時までに確定するのが理想か?

決算書に基づく法人税の申告は、事業年度末が終了した翌日から2か月以内にしなければなりませんので、これよりも遅らすことはできません。よくあるのは、法人税の申告書を作成する段階になって、「あの処理(仕訳)を忘れていた」ということです。その意味で、決算と法人税の申告は同時並行ですから、決算は法人税の申告期限である事業年度末が終了した翌日から2か月以内に確定させることになります。

いわゆる月次決算では簡略な処理でかまいませんので、もっと早い翌月10日とかに確定させなければなりません。しかし、締め日のある取引(売上、仕入など)は取引先との関係で遅れてしまうことがありますが、可能な限り早期に終了させるべきです。

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【勘定科目の検算】販売費及び一般管理費

2018-10-20 11:00:00 | 経理業務(帳簿の作成)
販売費及び一般管理費(いわゆる経費)として計上される勘定科目は多数あります。それぞれの勘定科目の金額が正しいか気になるかもしれませんが、一定時点の残高がある資産や負債と違って、一定期間の累計数値である費用(収益もそうです)はそう簡単に検算することはできません。

資産の預金であれば預金通帳、負債の借入金であれば返済予定表と照合することによって勘定科目の金額が正しいことを確認できます。費用については、資産や負債のように照合できる決定的な資料はありません。あえて言うならば、複数の請求書や領収書を合計した金額ですが、すでに日付順に保存している請求書や領収書から特定の勘定科目の分を集計するのは大変な作業となります。

販売費及び一般管理費については次のような方法で、計上された金額が正しいということの「確証」を得るしかありません。

◆次ごとの比較

ほとんどの財務会計ソフトには、月次の試算表を月ごとに比較する機能が備わっています。「月次推移」「月次比較」などといわれるものです。この損益計算書の販売費及び一般管理費の部分を査閲(レヴュー)するのです。

○毎月計上されるもの
給料、電話代、電気・水道・ガス料金などです。
○毎月同額が計上されるもの
役員報酬や家賃などです。
○特定の月にしか計上されないもの
賞与がこれです。
○特定の勘定科目に連動して計上されるもの
販売手数料は売上に、社会保険料(健保と厚生年金)は給料に連動します。
○月末に銀行口座振替えで支払うもの
月末に銀行口座振替えで支払うものは、月末が休日であれば翌月に引き落とされて計上されます(計上されない月、2か月分計上される月があります)。
○不規則に計上されるもの
接待や福利厚生に関連する費用がそうです。
○臨時に計上されたもの
退職金、新製品の宣伝費用、記念行事に関する費用がこれです。

各費用は一定の傾向や特色を伴って発生し計上されます。異常性のある勘定科目については総勘定元帳を査閲(レヴュー)し、さらには基資料である請求書や領収書までたどらなければなりません。

◆年度ごとの比較(とりあえず前期)

年度ごと、とりあえずは前期と比較してみます。

○増えていなければおかしいもの
「従業員を増やした」「事務所や店舗を拡大した」、このような状況の変化と矛盾していないかを確認します。
○減っていなければおかしいもの
「従業員を減らした」「事務所や店舗を縮小した」、このような状況の変化と矛盾していないかを確認します。

★勘定科目誤りに注意!
販売費及び一般管理費に関しては勘定科目の誤りが非常に多いです。単純な会計ソフトへの「入力誤り」、使用する勘定科目の「不統一」「非継続」が決算書を歪(いびつ)にしてしまいます。

★木も森も見る
販売費及び一般管理費を正確に計上するには、仕訳の段階で基礎資料を十分入手し、それを分析・解明した事実関係に基づいて処理しておくことが大切です。しかし、無意識のうちに処理を誤る、処理を変えていることがありますので、上記のような査閲(レヴュー)を欠かせません。

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