村雨庵 茶の湯日記

日々是茶の湯

春の着る かすみの衣

2012-03-16 23:50:27 | 美術館・博物館
春の着る
霞の衣
ぬきを薄み
山風にこそ
乱るべらなれ 在原行平 古今和歌集

出かけようとしたが
さて上着は何を着るか
襟に毛のついた厚いコート、
羽毛のコートなどもこんな春めいては着ないだろう
探したが 着るものがない
初めから着物にすれば良かったが
寝坊して時間が無い
日射しは明るくすっかり春模様
かるい軽いジャケットに
大きなスカーフでごまかした
電車にのると殆ど羽毛とか皮のジャンバー
まだまだ厚いコートでも大丈夫らしい

子供の頃からの友人と互いにする誕生会
今日は私の誕生日
六本木ヒルズの
ロイズ東京バー&グリル
窓からは東京タワーが見える特等席にてのお昼のコース
美味しかった
食後は散歩 
東京ミッドタウンまで歩く

サントリー美術館の展覧会は
四月一日まで
大阪市立東洋陶磁美術館コレクション
「悠久の光彩 東洋陶磁の美」
二人はみないと言う
観るのは割と早いので待ってもらった
若い頃に東博で観た安宅コレクション
未熟だったがその素晴らしさには感動した
中国陶磁の展覧の部屋は張り詰めた空気に満ち
高麗陶磁の部屋になると空気はぐっと和む
今日もその美の確認の為に観る
二人を待たせたが
さっと観終わった

集中したら甘いものが食べたい
とらやで頗る上質なる
あんみつ



それからルッセプレミアムとやで少し買い物
石野の白みそとアスパラナ、フキノトウ、壬生菜漬
明日は茶事の準備 下拵えと片づけ
明後日の日曜日は茶飯釜

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西行が和歌における

2012-03-15 23:34:33 | 村雨庵 稽古 
バレンタインのお返しを頂いた
一つは鍼Q先生から 手造りのクッキーだと・・・
クッキーなど一度も作った事が無いだけに感心
今時の若者は何でもできる 恐れ入りました



二つ目はT様から
初めて見たお洒落なチョコレートで
なんと宝石箱に入っている
誕生石ショコラ 
それもわが三月の誕生石のアクアマリン だが

二つとも
暫しは飾っておく

木曜稽古
稽古の点前の前に利休百首を読みあげ
そして何か読む
昼のひいろんさんとotakeさんは
百人一首の解説本から読んでいる
今日は二人とも西行を取り上げた
ドラマ清盛の内容や出光での古筆の文字
白河切の話しなどする

そういえば
確か芭蕉が笈の小文にある有名な文章があった

西行の和歌における、
宗祇ソウギの連歌における、
雪舟の絵における、
利休が茶における、
其貫道ソノカンドウする物は一イツなり  

メモを書き
壁に貼った



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梢ににほふ

2012-03-14 23:40:36 | 村雨庵 稽古 
水曜日は村雨会だ
昼は四名、夜も四名
夜、稽古の最中、九時五分頃地震があった
震源地は千葉県東方沖が震源地
こちらは震度3だったが
ちょうど釣釜で炭手前
釜は上げて灰を撒こうとして ぐらぐらと来た
地震じゃないかしらとの声に皆動作を止める
炉は二つ開いてそれぞれ赤く炭は熾きている
火に集中する 
すぐ終わるかと思ったが
強くなっていくようにも思えた
皆は堂々と落ち着いている
稽古中の地震は初めてだなどと言う
又地震があると鎖につる釜は揺れて危険だから
釣釜の方の炭はもう上げよう
すぐ消し壺を持ち出して
火をかたづけた
あとはそのまま稽古を続けたが
何となく落ち着かない
今日は早めにと
10時には仕舞った

明日 いや今日何があるかわからない
不安と言えば 勿論不安だが 
自然にはあらがえず
覚悟を決めるしかあるまい
明日も稽古日
茶が出来れば
しあわせである

西行法師 小倉百人一首
嘆けとて
月やは物を思はする
かこち顔なる 
わが涙かな

月は私にもの思いをさせる
嘆けとでも言うように
私を追いつめる
そのような月を私はついつい恨み
涙が溢れて来るのです

西行の俗名は佐藤義清サトウノリキヨ
今日の掛け物は加藤義清カトウヨシキヨ
何となく似ている名前だ
元治元年に名古屋に生まれる
昭和16年(1864~1961)
歌人、御歌所寄人

はるはなの
みだれ心に 
似ぬものや
梢ににほふ
春の夜の月
義清



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沓の音

2012-03-13 23:37:39 | 紫廼茶話会
今日は火曜会の
お茶の稽古日
伺うと茶室の床には
木目込み人形の大きなお内裏様と三人官女
脇棚にも
五段飾りの雛壇が飾られている



奈良の一刀彫りだそうで
そのお姿の愛らしく小さなこと

ついつい見惚れてしまう




お菓子は塩瀬の上用饅頭
桃の形は可愛らしく
ぼかしたピンク色も優しく
葉もちゃんと付いている
中は漉し餡で美味しかった



そのまま夜はお料理まで出かける
料理は立ち続けで体力がいるが
最後まで大丈夫
疲れなかった



水とりや氷の僧の沓の音 芭蕉

3月1日から明日14日まで
奈良東大寺の修二会
お水取りが行われていると聞く
その行事は今年で1261回目
毎年一度も欠かさずに行われたという
なにより信仰への情熱は熱く粘り強い

暗闇に飛び散る赤い松明の火の子を
ぜひとも見てみたい気がするが
きっとすごく寒いのだろう





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旬の便りをご覧のほど

2012-03-12 22:12:42 | 茶の事
左にあるブックマーク

京料理 福們は
私のお菓子の先生とかつてのお料理の先生のブログ
難しい事はなんでも相談する心強い味方だ
表紙から
旬の便りを
押して頂くと3月5日茶懐石が出る
お店でのお茶事の様子 献立やお料理の
美しい写真がたくさん出ている
どうぞご覧を


風邪気味なので夜からの予定は取止めた
用意した先生の御礼と
会員の百合桃さんと里庵さんにお渡しするものがあり
ホントは行かなくてはいけないのだが
紫兎さまにお願いして家でひたすら寝る事にした
明日は元気になろう

写真がうまく撮れなかったが
庭のボタンが芽を出した
明日は元気になる





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葉にそむく

2012-03-11 20:48:37 | 茶の事
大震災から一年
多くの方が被害にあい亡くなられた
心からお悔やみ申しあげます
つくづく
生死は紙一重
生きているその一日を大切に

そういう私めは風邪気味で
予定にしていた研究会は行くのを止めた
手続きする書類があり
サカチカさんと駅で会い渡し
帰りに信号の角で椿を手折った

葉にそむく
椿の花や
よそ心 芭蕉


大切な毎日をと思いつつ
足踏みしている
まあ 
元気な明日の為に今日はゆっくりしようっと

いつもながらの 楽観的思考


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野をなつかしみ

2012-03-10 22:10:16 | 茶の事
三月はS先生のお誕生月
今年で91歳になられる
木曜日にお電話を頂いた
TBSで月曜から金曜の朝10時の韓ドラ
「個人の趣向」での主演イ・ミンホがお好きで
そのドラマの事を互いに話した
こういう華やいだ楽しい話題はいい

韓国ドラマは
従姉妹たちが大好きで再三情熱的にすすめられたが
時間をこれ以上費やすと大変な事になると
あえて見なかった
先生は冬のソナタのヨン様をお気に入りで
2007年12月ヨン様の「大王四神記」が始まり
私も
先生のお勧めで観はじめた
夜中にお電話を掛けて内容のお話しなどをする
週に一度だが時間は夜中だったりする
いいのかなとドキドキしながら電話した

それから もう五年も経ったが
新しい趣味
韓ドラを観るという楽しみができた
とくに韓国の時代劇が好きで
時代背景を観察しながら楽しんでいる
今はイサン・トンイは必ずみる
時代劇には両班
という身分階級が出て来る
最近NHK高校講座「歴史」を見たところ
国王は玉座に南を向いて座り
右側に文臣、左に武臣が並ぶ
文臣を文班ともいい、武臣を武班とも言ったようで
両方にあるから両班という らしい
納得

いはばしる
垂水の上の
早蕨の 
萌え出づる春に
なりにけるかも
志貴皇子  万葉集

春の野に
菫摘みにと
来し我ぞ 
野をなつかしみ
一夜寝にける
山部赤人  万葉集




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たらひの影

2012-03-09 23:33:52 | 茶の事
鍼治療に行き下駄箱をみると
見たこともない 
可愛らしい靴が入っている
聞くと鍼Q先生のもの
船の甲板ではくように
底が平らになっている靴だそう
いわゆるデッキシューズか
それにしても可愛い靴だ
イケメン先生には良く似合う


午後は
伊勢の会 二七段が面白かった

二七段 たらひの影
むかし、
男、
女のもとにひと夜いきて、
又もいかずなりにければ、
女の、
手洗ふ所に、
貫簀をうちやりて、
たらひのかげに見えけるを、
みづから、

我ばかり
もの思ふ人は
またもあらじと思へば
水の下にもありけり

とよむを、
来ざりける男、
立ち聞きて、

水口に
われや見ゆらむ
蛙さへ
水の下にて
もろ声に鳴く


女は恋がうまくいかず
悲しみに打ちひしがれて
水屋の簀を外して何となく下を見る
こんなに辛く哀しい思いをしている人は
私の他には一人もいないだろうと思っていたのに
そこに、もう一人いたわ

それを男が立ち聞き
水の下にてを自分の事だと勘違い
蛙だって鳴いてます
私だって貴女と一緒に鳴いてますよ

てな ことと解釈したが

伊勢の会のわれら三名 
読み終えて
嬉しい気分になる
ユーモアもあるこの段を
すっかり気にいった
女がたらいの影に気がついた時の様子を
思い浮かべる
女の悲しみのストレスが
瞬時にほぐれたであろう事を思い
私たちも辛い時は
この段を思い出そうではないか と
水の下の盥タライの影を




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春さらば…

2012-03-08 23:37:42 | 村雨庵 稽古 
朝、起きたら雨だった
庭には丁度よいお湿り
雨に濡れて艶めく木々の緑が鮮やか
木戸の前の貝母が蕾を持っている


木曜稽古
今日も茶飯釜でご飯を炊く
18日にする茶飯釜の亭主はさかちかさん
さかちかさんは
茶飯釜は初めてなので何度も試して
稽古しよう
まだ来週もある


今日は万葉集の色紙を掛けた
あいにく複製だが勉強にはよいかと・・・

歌は
万葉集の巻七 1281

君がため
手力タジカラ疲れ
織りたる衣キヌぞ
春さらば
いかなる色に
擢スりてば良けむ

春さらば・・・とは
春になったら
春がやってきたら
そんな意味らしい
この所暖かかったが
週末は寒くなるらしい

春さらば・・・
美味しいものを食べに行こうか



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雛の家

2012-03-08 01:29:11 | 村雨庵 稽古 
三月はまず雛祭り
東大寺の修二会つまりお水取りや
お彼岸・利休忌 また段々と
桜の話題ものぼるだろう

今月は茶飯釜の茶事をするのだが
さて何を取り合せて茶事をしようか
今日も釣釜にしてご飯を炊く
先週も一度は炊いたのだが
茶事までは何度も焚いてみる
美味しいご飯が順調に炊けるように
練習あるのみだ
夜の部にご飯を試し炊き
おかずはそれなりの あり合せで
それなりにお腹は満足
少し焦げてしまったご飯も香ばしく 
おいしく 体型を忘れて
皆お椀に山盛りにして食べた
明日はほどほどにしよう


写真は立雛の軸
お召物の模様は
だいたいが松と藤の柄であるが
このお雛様もそう
お鼻は胡粉で描かれ
やさしいお顔をなさっている





草の戸も住み替る世や雛の家  芭蕉

元禄二年の春
芭蕉は住んでいた芭蕉庵を引き払い
奥の細道の旅へと出かける
その芭蕉庵には
女の子のいる家族が住むことになる 
ころは春だ
草の戸のわびしい庵
上巳の節供には
ささやかなりとも華やいで
雛人形が飾られたに違いない


そうなれば
わが草の戸の村雨庵も 
今月は雛の家になるらし か


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古筆手鑑 出光美術館

2012-03-06 23:19:48 | 美術館・博物館
今日は四谷で袋物のお稽古
終われば昼食は近くのイタリアレストラン
外にテーブルが二セットあり
傘の形のヒーター
アンブレラヒーターある
洒落た店だ
ランチセットを三種類とり三人でとりあった
飲み物は生ビール
うまい

朝は寒かったが段々気温が高くなってきた
次の行先は
日比谷の出光美術館
展示は「古筆手鑑」
国宝「見努世友」と「藻塩草」
大聖武から三筆、三蹟、
寛永の三筆または四筆の名筆
高野切から石山切 針切、継色紙、聞き覚えのある古筆切がならぶ
手鑑テカガミとは古筆のスクラップ帖なのだが
手=筆跡のこと
鑑みるカンガミル=
・反省のもととなる前例や手本
・資料を並べて手本とする書物
・よしあしを見分ける・・・デジタル大辞泉
手鑑は古筆の鑑賞や鑑定に使われた

田中親美の模写複製本、三十六人家集の伊勢集と貫之集の下がある隣に
その開いた部分それぞれの、出光美術館蔵の石山切の軸が掛っている
日頃勉強している古筆だから
この展覧会は見過ごせない

見努世友ミヌヨノトモの中に
六条切 伝光厳天皇筆 鎌倉末から南北朝

従二位家隆の歌

佐保姫の
霞の袖も誰ゆえに
朧に宿る
春の月かげ 


有楽町の月
交通会館も映っているが
月はうまく撮れなかった



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椿が上を春の雨 青羅

2012-03-05 23:50:47 | 茶の事
いつだったか雨の日に
鍼の先生がおっしゃった
「雨は厭ですね
雨だと損したような気もするし
雨が降って
いい事ないでしょう
晴れはいいですよ」

「そうですね
確かに晴れの日は嬉しいですね 
でも雨を嫌いな人ばかりではないでしょう」

「雨の音を聞きながらお茶をしていると
雨も良いですよ
閉じ込められた茶室になお閉じこもり
釜の松風と外の雨滴声を聞き・・・
濃茶を練る間のしばし無言の時間
お茶はいいですよ」

「そうか、そう言えば村雨って雨ですものね」


今日は雨だ
雨だと何となく具合が悪い
夜もお香の稽古日だったが
すっかり忘れてしまい
どうしたのと連絡が入る
結果 やすみ
今日は一歩も外へ出ない

傘もささず雨靴もはかない
それ位の雨がいい


落つみし
椿がうへを
春の雨 
青蘿

松岡青蘿マツオカセイラ 
江戸後期の俳人1740-1791

わが庭の椿も雨に打たれつ
ひと雨ごとに春になる・・・




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舞へ舞へ蝸牛

2012-03-04 23:20:49 | 懐石・料理
日曜日 今日の大河ドラマ清盛で
鳥羽上皇の第四皇子が登場した
雅仁親王役の松田翔太
のちの後白河法皇になる

舞へ舞へ蝸牛カタツブリ 
舞はぬものならば
馬ムマの子や牛の子に 
蹴クゑさせてん 
踏み破ワらせてん
真マコトに美ウツクしく舞うたらば 
華の園ソノまで遊ばせん

と梁塵秘抄にある今様を歌っていた

梁塵秘抄は後白河法皇が編集した
平安後期の今様を集めた歌謡集で
仏教の歌も多いが 
遊びをせん・・・も
この蝸牛の歌も 良い


今日も懐石料理の稽古日
ひいなの料理だ
献立は今度の茶飯釜の懐石に使うゆえ
ここには書かない
反省した事がある
どうも料理を始めるまでに時間がかかる
お喋りをしたり
遅くなった人を待っていたりして
中々始まらない 気をつけよう
二人や三人で作るのだから
当然 時間はかかる
さっさと始め、テキパキとこなしていこう
出来あがれば小さいグラスにビールで乾杯
至福の時が訪れるから

料理は体力 重たい鍋を持ったり
擂鉢で磨ったり 海老を叩いたり
知らぬ間に力を入れて
頑張っているのだ
料理は脳トレ 短冊に人参を切る
葱を笹切りする 考えて包丁で切るのだが
その思い通りに切ろうとする事が
脳トレだ

お茶が好きなら
料理もしよう
掃除もしよう
体にも気をつけて
運動しょう
元気にお茶が出来るように
と中々思うように
出来ない自分に言い聞かす


暢々庵さま
風邪気味
御身お大切に

写真は椿の木 
青空にのびのびと葉を伸ばし
わが庭のとは大違い




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人の心を種として

2012-03-03 23:40:14 | 短歌・俳句の事
古今和歌集の序文で
紀貫之が仮名で書いたものを仮名序
紀淑望が漢文で書いたものを真名序という

その仮名序を若い時に暗記したことがある
今は大部忘れてしまった
書き出してみると
少しづつ思い出す

古今集仮名序 紀貫之
和歌ヤマトウタは人の心を種として、
よろずの言の葉とぞなれりける
世の中にある人、
こと、わざ、しげきものなれば
心に思ふことを、見るもの、
きくものにつけて、言ひだせるなり
花に鳴く鴬、
水に住む蛙カワズの声を聞けば、
生きとし生けるもの、
いづれか歌をよまざりける
力を入れずして、
天土アメツチを動かし、
目に見えぬ鬼神オニカミをもあわれと思わせ、
男女の中をも和らげ、
たけき武士の心をも慰むるは、歌なり


この後に和歌を六つに分類する
人麻呂と赤人を挙げ
その後に六歌仙が登場してくる
のだが
その六歌仙のうちの小野小町にはこう書いてある

小野小町は
いにしへの衣通姫の流なり
あはれなるやうにて、つよからず
いはば、よき媼オウナの
なやめる所あるににたり
強よからぬは
媼のうたなればなるべし

思つつ
ぬればや人の
見えつらむ
ゆめとしりせば
さめざらましを

いろ見えで
うつろふものは
世中の
人の心の
花にぞありける

わびぬれば
身をうきくさの
ねをたえて
さそふ水あらば
いなむとぞ思

衣通姫のうた
わがせこが
くべきよひ也
ささがにの
くものふるまひ
かねてしるしも



今日は懐石料理の稽古日
料理は立ち続けで重労働でもあるが
みんなですれば何でも楽しい


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ものがたりゆく蓑と笠

2012-03-02 23:45:41 | 懐石・料理
朝から雨だ

春雨やものがたりゆく簑と傘 蕪村

蓑の本物は見たことが無い
20代のとき、会社のクラブで合気道を習っていた
そのクラブの人二三人から旅行のお土産にと小さい蓑を貰った
珍しいお土産だ
なぜ蓑笠なのか良く覚えていない
赤ん坊がすると丁度良いくらい大きさで
蓑と笠が付いている
宝尽くしの絵の中にも登場するお目出度い
隠れ蓑、隠れ笠 
そのお土産は本物の藁でできているので
茶席に入れるには粗野で無理だが
六月の茶事、雨中の茶事のときに
寄付にこれを掛けると
中々風情があった
それを見て田植えや梅雨を思い浮かべ
雨中を積極的に楽しむのだが
同じお客様にはしないので
蓑笠の出番がだんだん少なくなり
埃だらけで ついには破棄した
こんまりさんのときめき片づけ法とかあるが
その蓑笠は若きの思い出で
今でも思うと
ときめくものだったが もう遅い
 
春雨のそぼ降る中
蓑笠の人と傘の人が
ものかたり
しつつ歩む か…



今日は
12時に懐石料理の生徒様が二名お見えになられる
料理の説明よりまずは帝国ホテルの日曜日のお茶会の話
パンを口にほおり投げ三人でお喋り・・・が続く
今日の説明をして さあお料理をしましょと時計を見ると
午後2時 いくらなんでも
そろそろしないと
と始めたが
終わったのは
7時になってしまった

時間配分にきをつけよう


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