村雨庵 茶の湯日記

日々是茶の湯

『猩々』は海中から来たる

2017-11-17 04:03:35 | 能・謡
今日はお謡
お稽古しているのは
『猩々』

物語は
そのむかし、
揚子江の金山キンザンに、
高風コウフウというとても
親孝行者の男が住んでいた。
夢のお告げのとおりに
市場で酒を売るとたいそう儲かった。
毎日必ず店に来る不思議な客がいた。
いくら飲んでも変わらず、
全く酒に酔う様子がない。
不思議に思い名前を尋ねると、
自分は猩々と言う
海中に住む者だと答えて
立ち去る。

美しい月夜の晩、
川辺で酒を用意し猩々を待っていると、
水中の波間より猩々が現れる。
酒を酌交わし、
舞を舞踊るうち、
猩々は高風の徳を褒め、
泉のように尽きる事のない酒壷を与えて
帰って行ったという。

もう8年ほど前
友人が還暦の時に
久隅守景の猩々の画を
寄付に掛けていた
壺を抱えてお酒を沢山飲み
赤い髪の毛をしている
それが
海に住むという
霊獣だったとはね
稽古は大変だが
謡の物語もその言葉も
とても面白く魅力的だ


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コメント
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