村雨庵 茶の湯日記

日々是茶の湯

おもい草

2015-09-16 23:28:43 | 村雨庵 稽古 
村雨庵水曜稽古
先週は大雨で稽古をお休みの人が多かったが
今日は皆さまのお顔が揃った
二週間ぶりの稽古
間が空くと
小さなことを忘れていたり
難しい点前だと
思ったよりできない事がある
「なんだか調子が整わない」
とのこと
よくある事だ

花入に
大毛蓼オオケタデと
糸薄イトススキ
それと
紫色の植物は 南蛮ナンバンキセル

南蛮煙管はハマウツボ科
原産は日本
ススキやみょうがに寄生する
一年草だ

南蛮煙管は別名おもい草ともいい
古くから歌にも詠まれた

『万葉集』 
道の辺の
尾花が下の思ひ草
今さらさらに
何をか思はむ


道端のススキの下に南蛮煙管の花が咲いている
おもい草という名の通り
恋しい人を想い
悩んでいるかのようだが
ああ私もそうなのだ
同じようにあの人を想い
悩ましい日を送っているのだ
いやいやもう今更なにをいよう
あきらめると決めたのに
そう あきらめよう あきらめないと


平安時代の和泉式部もおもい草を詠っている

野辺みれば
尾花がもとの思ひ草
かれゆく冬に
なりぞしにける (新古624)

秋の草花の咲き乱れる野原
すすきもわずかな風に揺れている
足元を見れば紫のおもい草が咲いている
なんと切ないことよ
このように美しい秋の花々も
やがて枯れはてて
冷たい冬になってしまうのね
私の想う恋も
いつかは終わってしまうのかしら
いえ 私の恋は違う
いつまでも続くのよ
 
なんてね
解釈は私の自由だ



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