村雨庵 茶の湯日記

日々是茶の湯

現川 うつつがわ

2014-03-09 23:54:48 | 茶の事
駅の近くに骨董屋がある
いや骨董というより古道具屋だ
中古の家具や食器類、室内に飾る置物などがほとんどで
茶道具は少しだけ奥の方のガラスケースに入っている
江戸時代の物から昭和のものが雑多に積み重ねてある

この店で
江戸時代の現川焼の鉢、
山中塗の辻石斎の煮物椀、
萩焼の坂田泥華の皿を買った

現川焼は刷毛目が特徴で「西の仁清」とも言われたほど瀟洒なものだ
元禄年間から長崎で焼かれたが50年で途絶えた
のち明治に横石臥牛が再興した
若い時、現川焼はS先生の会で何度も拝見した
その特徴ある刷毛目と
現川という情趣のある名前に心惹かれた
いつかは手に入れたい
欲しい
と思っていたのである
その鉢が自分のものになり
裏表見込みから高台とよくよく見ても
確信はなかった
もう20年も前になるが
一度お願いして
S先生に見て頂いた
「現川だね」とひとめで仰って頂き
嬉しかった事を
よく覚えている


うつつとは ①現実。現世。実在 ②正気

駿河なる宇津の山べの うつつにも 夢にも人に逢はぬなりけり 新古今集、伊勢物語



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