村雨庵 茶の湯日記

日々是茶の湯

たらひの影

2012-03-09 23:33:52 | 茶の事
鍼治療に行き下駄箱をみると
見たこともない 
可愛らしい靴が入っている
聞くと鍼Q先生のもの
船の甲板ではくように
底が平らになっている靴だそう
いわゆるデッキシューズか
それにしても可愛い靴だ
イケメン先生には良く似合う


午後は
伊勢の会 二七段が面白かった

二七段 たらひの影
むかし、
男、
女のもとにひと夜いきて、
又もいかずなりにければ、
女の、
手洗ふ所に、
貫簀をうちやりて、
たらひのかげに見えけるを、
みづから、

我ばかり
もの思ふ人は
またもあらじと思へば
水の下にもありけり

とよむを、
来ざりける男、
立ち聞きて、

水口に
われや見ゆらむ
蛙さへ
水の下にて
もろ声に鳴く


女は恋がうまくいかず
悲しみに打ちひしがれて
水屋の簀を外して何となく下を見る
こんなに辛く哀しい思いをしている人は
私の他には一人もいないだろうと思っていたのに
そこに、もう一人いたわ

それを男が立ち聞き
水の下にてを自分の事だと勘違い
蛙だって鳴いてます
私だって貴女と一緒に鳴いてますよ

てな ことと解釈したが

伊勢の会のわれら三名 
読み終えて
嬉しい気分になる
ユーモアもあるこの段を
すっかり気にいった
女がたらいの影に気がついた時の様子を
思い浮かべる
女の悲しみのストレスが
瞬時にほぐれたであろう事を思い
私たちも辛い時は
この段を思い出そうではないか と
水の下の盥タライの影を




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コメント (2)
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