村雨庵 茶の湯日記

日々是茶の湯

矢柄

2010-01-19 23:44:02 | 懐石・料理
まな板に赤くて長い長い魚が置いてある
初めて見る魚だ
写真を撮れば良かったのだが
それはヤガラと言うらしい
ペリカンのようなくちばしはとても長く
胴は鱧ハモのように細長く丸い
尾には釣り竿のように細いものが伸びていて
魚をそれでおびき寄せるらしい

はじめに
腹からエラの付け根まで切り
腹を出して
三枚に下ろすのだそう

私めは
人参を拍子木に切りながら
遠くからチラチラ見ていただけだが

ヤガラは
最後はお造りと
手毬蒸しになり

すっかりお腹に納まった
美味しい魚であるが
夢に出てきそうな

わすられぬ姿であった
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睦月勉強会 続き

2010-01-19 01:24:30 | お勉強
なんでも勉強会
今月は掛け軸をたくさんお持ち頂き勉強する

一幅ずつ
箱からそっと出し
巻き緒をゆるゆると解き
矢筈にて床の間の釘に掛け
先生の詳細なご説明を拝聴す

終われば
左右の軸を持ち
慎重に途中まで巻き上げ
矢筈で釘から外し畳にゆっくり下ろし
巻き緒で約束通りに巻き
静かに箱にしまう

そして静かに箱の蓋する
これを六幅

一応この会では私めがする事になっている
少し緊張するが
ほんとに緊張してはいけない
しっかり集中して
キチンとしまう事だけを
考えるのだ

掛け軸の扱いで一番悪いのは
掛け外しの際に
落としてしまう事だ

これは折れ筋が付いたり
切れたりして
最悪
あと
巻き緒の掛け方がゆるかったり
又ギュッときつかったりすると
必ずシワになる

掛け軸の扱いは
習わないと出来ないが
茶道では
小習いに軸飾りがあるから
これをしばしば稽古すれば良いのだ

手が慣れ
体が慣れる

軸が何億円というものだから大事に
ただの五千円だから雑に
とはいかぬもの
どんな軸でも扱いは同じ
目や手や体でするものだと思う

茶道具の中でも
特に掛け軸は
大切に扱わねばならぬ道具であろうから
お稽古するのみである

お勉強が終わって
今日のふくもとのお菓子と薄茶をのもう
お菓子の銘は

来る春



美麗かつ美味であった

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