昭和３０年１２月のプロレス番組 ＫＲテレビとは

父の亡くなった昭和３０年１２月の何日か調べたくなり、都立中央図書館１階の新聞縮刷版の所で代表的な４紙の新聞で１２月２５日以前のテレビ番組を調べた。読売新聞に関しては所蔵していないので調べようとするとデジタルとなりそうだ。
　昭和３０年１２月２５日は日曜日だった。この日のテレビ欄とラジオ蘭と比較するとテレビ欄は圧倒的に少ない。NHK・日本テレビ・ＫＲテレビとなっている。このＫＲテレビは今のＴＢＳテレビの事で、ラジオとテレビの放送のため、ＫＲとなったようだ。
　さてなぜ１２月のテレビ番組を知りたかったというと101歳で亡くなった母の言い伝えでは父が来客の人と酒を飲み、その後に家でプロレス中継を見た後、興奮し倒れて、数日昏睡後に医者の見立てで、仮に命を保っても、マヒが残ると告げられ、覚悟してくださいと言われた。２５日早朝に亡くなったのだが、当日とその前の様子が縮刷版によく出ていて、銀座等の繁華街でサラリ－マンがクリスマスの三角帽子すがたで飲んだくれで騒いでいて、警察官・近隣住民がゴミに憤慨している報道がある。忘年会の時期でもある。このクリスマスの騒動が自分の心に長く染みついていて、キリスト教への嫌悪感が今でも残っていている。
　さて最初は東京朝日新聞昭和３０年１２月を探したが、最近の縮刷版より薄い。やはり紙の量の問題なのだろうか。１２月のおおよその話題があって、国連に加盟申請をしたのだが、だめだった様子が見える。昭和27年（1952）6月日本は国際連合に加盟を申請しました。日本の申請は、同年9月の国連安全保障理事会では10対1の圧倒的多数の賛成を得ましたが、ソ連が拒否権を発動したため、否決されました。日ソ国交回復後に昭和３１年国連加盟。
１２月と言えば年末でテレビ欄の３１日を見ても、テレビの放送終了時刻が１０時台と思われる。朝はNHKが１１時３５分ヵら１時過ぎまで、夜は６時から9時過ぎまで、日本テレビは朝が昼の１時間、夜は６時から１０時台まで。そしてＫＲテレビほほぼ日本テレビと同じ。このＫＲテレビは今のＴＢＳテレビの事である。どこかの時点でＫＲテレビはＴＢＳテレビと改称した。
　さて父の脳溢血を誘発したプロレスは力道山の時代である。今ではプロレスは疑似スポ―ツとみられていているが当時は真剣勝負の演出がすごかった。アメリカ歌舞伎という人もあったようだ。さらにビデオテ－プのような機器もないので生中継となり、演出に工夫があった様子がプロレス本に出ている。
　日本経済新聞の昭和３０年１２月の広告記事で１０インチのテレビが現金価格で６６０００円、月賦で７２０００円という。
　さて父を倒したプロレス中継の番組は日本テレビ番組欄を探してもなかった。定期の番組では無いようだ。そしてＫＲテレビの番組表を探すと、１２月20日火曜日の夜8時から、プロレス日本選手権という番組があった。多分この番組を見た後倒れたのだろう。プロレスは日本テレビの印象があるがＫＲテレビも放送していて、独占権を日本テレビが後に獲得した。特攻で米軍艦船の突っ込んだ実弟の無念とやるせない気持ちの発散がプロレスで興奮したという想いがある。
参考　
テレビはプロレスから始まった　 －全日本プロレス中継を作ったテレビマンたち－福留 崇広著
テレビの無いサラリーマンが帰宅の途中の駅前街頭テレビでプロレス中継を見る。力道山がシャ－プ兄弟の試合で逆転勝ちとなる。これがテレビの普及を促進した。同時期の日本経済新聞には映画界の危機意識があって、五者協定などの話が出ていて、数字でテレビの普及具合が出ている。疲れた体で街頭テレビを立って見るより、テレビを買いたい気持ちを促進した。