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「鉢かづき姫」について考える-その2-解説

2010-01-30 10:28:59 | 神話・御伽噺・民話・伝説

昨日に引き続き解説です!これからの解説はかなりややこしいことになっていますががんばって読んでください。

はちかづき〔ハチかづき〕【鉢かづき】01

御伽草子23編の一2巻。作者未詳。室町時代の成立とされる。母の臨終に鉢を頭にかぶせ られた娘が継母のために家を追われるが、その鉢によって幸せになる話。継母説話に長谷観音の霊験譚(たん)を絡ませたもの。

辞書:大辞泉

かづき【被き】

_hime_m 「かづき」は「被き」と書き、歴史時代に女性が外出する際にかぶった布を示す場合もあるように、頭にかぶることを意味する。従ってこの物語も、姫が鉢を“担いだ”のではなくかぶったことを言うので、「鉢かつぎ」ではなく「鉢かづき」とするのが正しい。場合によっては「かづき」の表現を現代語に訳して「鉢かぶり姫」ということもある。

【鉢】はち(はつとも読む。)

現代では「植木鉢」や、頭の形が鉢に似ている処から「鉢巻き」のような用法もあるが、本来は、容器の意のサンスクリット語(梵語)を音写した「鉢多羅」、「鉢和羅」の略語である。

僧尼が常に所持すべき「六物(ろくもつ)」のひとつで、食器を意味した。

ちなみに、僧尼の用いる鉢は、その素材によって、鉄鉢、泥鉢(陶土製)と定められ、それ以外の木鉢や漆塗りの鉢は外道(げどう)のものとされた。

この鉢を持って、坊さんが市中に出、「乞食(こつじき)」して廻る「托鉢(たくはつ)」は僧として重要な修行のひとつ。

物語の展開に大きな意味をもつ鉢は、呪具(じゅぐ)として主人公の運命に大きな役割を果たしている。とりわけ、主人公の成女戒にかかわる、呪術的・宗教的意義を重ねることによって、この主題を解こうとする見方もなされる。伝承伝播(でんぱ)の背景には、観音信仰の教化活動も考えられる。

成女戒(せいじょかい)

I_2 女の物忌みとして、田を植える五月処女(さうとめ)を選定する行事は、卯月の中頃のある一日に「山籠り」として行はれる。そうして、山から下りる時には、躑躅(つつじ)の花をかざして来る。山籠りは、処女が一日山に籠って、ある資格を得て来るのが本義である。けれども、後には、此が忘れられて、山に行き、野に行きして、一日籠って来るのは、ただの山遊び・野遊びになってしまいました。「山行き」という言葉は、山籠りのなごりである。こうして山籠りは、一種の春の行楽になってしまったが、昔は全村の女が村を離れて、山籠りをした。即、皐月の田植え前に、五月処女(さうとめ)を定める為の山籠りをしたのである。

此山籠りの帰りに、処女たちは、山の躑躅(つつじ)を、頭に挿頭(かざ)して来る。此が田の神に奉仕する女だと言う徴(しるし)である。そして此からまた厳重な物忌みの生活が始まるのである。此かざしの花は、家の神棚に供へる事もあり、田に立てる事にもなった。此が一種の成り物の前兆になるのである。

四月八日を中心とした此日は、普通「山籠り」の日と言って居る。此日、村の娘が五月処女(さうとめ)としての資格を得るのである。そうとめと音便で呼ばれる語形さをとめの結合は、近世では出来ない結合である。処女(をとめ)は神事に仕える女、と言う事である。男(をとこ)も神事に仕へる男の意である。処女が花を摘みに行って、花をかざして来る事は、神聖な資格を得た事であって、此時に「成女戒」が授けられる。此は一年の中、二度か三度行われたが、もとは一度であって、男を避けて暮すのが習慣である。

処女が其資格を得ようとする徴(しるし)に花かざしをする。躑躅(つつじ)が用いられた。一種の山蔓(やまかづら)※である。ここに何か秘密な行事があるので、其時に花をさしたと言う事が、成女戒を授けられた事になる。此は毎年生れかはる形であるので、毎年受けるものなのだが、一生の中に、二度うける様にもなった。だが、昔は、事実はおなじ女性がつとめても、毎年別の人が生(あ)れ出(いで)て来ると信じて居た。

男は五歳から十歳頃までに袴着(はかまぎ)を行い、女は裳着(もぎ)をする。此袴着・裳着は、幼時に一度行うばかりでなく、大きくなつてから今一度行う。貴族の男児は、成年戒には黒<shapetype id="_x0000_t75" stroked="f" filled="f" path="m@4@5l@4@11@9@11@9@5xe" o:preferrelative="t" o:spt="75" coordsize="21600,21600"> <stroke joinstyle="miter"></stroke><formulas><f eqn="if lineDrawn pixelLineWidth 0"></f><f eqn="sum @0 1 0"></f><f eqn="sum 0 0 @1"></f><f eqn="prod @2 1 2"></f><f eqn="prod @3 21600 pixelWidth"></f><f eqn="prod @3 21600 pixelHeight"></f><f eqn="sum @0 0 1"></f><f eqn="prod @6 1 2"></f><f eqn="prod @7 21600 pixelWidth"></f><f eqn="sum @8 21600 0"></f><f eqn="prod @7 21600 pixelHeight"></f><f eqn="sum @10 21600 0"></f></formulas><path o:connecttype="rect" gradientshapeok="t" o:extrusionok="f"></path><lock aspectratio="t" v:ext="edit"></lock></shapetype><shape id="_x0000_i1025" alt="※(「巾+責」、第3水準1-84-11)" type="#_x0000_t75" style="WIDTH: 12pt; HEIGHT: 12pt"><imagedata o:href="http://www.aozora.gr.jp/gaiji/1-84/1-84-11.png" src="file:///C:DOCUME~1OwnerLOCALS~1Tempmsohtml11clip_image001.png"></imagedata></shape>をつける。其形は日本在来の鬘の形で、後方で結んで居て、植物の蔓(かずら)を頭へ巻いたと同じ形である。物忌みの間につける蔓の形が、支那の幘(さく)※の形と合して、黒<shape id="_x0000_i1026" alt="※(「巾+責」、第3水準1-84-11)" type="#_x0000_t75" style="WIDTH: 12pt; HEIGHT: 12pt"> <imagedata o:href="http://www.aozora.gr.jp/gaiji/1-84/1-84-11.png" src="file:///C:DOCUME~1OwnerLOCALS~1Tempmsohtml11clip_image001.png"></imagedata></shape>となったのだ。

此に対して女は「はねかづら」を着ける。万葉集には「はねかづら」と言う語が四ケ所に出て来る。

はねかづら(花蔓、葉根蔓、羽蔓)を着ける事かどうか判明しないが、尠(すくな)くとも、純粋の処女の時代であって、手の触れられない事を意味する物忌みの徴(しるし)のものであるらしい。

羽蔓は鳥の羽根と「カズラ」で輪状にして. 頭上に載せる髪飾りという

※山蔓(やまかづら)とはヒゲカズラのことでヒカゲノカズラ科の常緑多年生の蔓性(つるせい)のシダ。山野に生え、茎は地をはい、針状の葉がうろこ状につく。茎から細い枝が直立し、長さ約5センチの黄色い胞子嚢(ほうしのう)の穂をつける。

※幘(さく)とは布のことで、髪を包むきれ。頭巾。

今する妹を夢に見て、心の中(うち)に恋ひわたるかも(家持――巻四705Photo

羽鬘の髪飾りをつけた幼いあなたが、夢に出てきました。その頃からずっと、心の内に恋心を秘めていたのです。逢いたくてたまりません。

はね蔓今為(す)る妹はなかりしを。如何なる妹ぞ、許多(ここだ)恋ひたる(童女報歌0706

はね蔓を今つける少女とおっしゃいますが、あなたにそんな年頃の恋人は居なかった筈ですし私はとっくに成人式は済ませています。いったいどこのどなたがそれほどあなたを恋い慕っておられるのでしょうね。Photo_2

はね蔓今為(す)る妹をうら若み、いざ、率(いざ)川の音のさやけさ(巻七)

葉根蘰を新たにする娘が初々しいのでさあおいでと誘う、率川の音の清らかなことよ。(清らかなのは川ではなく、娘のこと)

今する妹がうら若み、笑(え)みゝ、怒(いか)りみ、つけし紐解(巻十一2627Photo_3

新婚初夜の儀式のはねかづら(葉根蔓)をつけた娘が、初々しく顔を朱に染めながら、馴れない下紐を苦労して解いている姿。なんと可愛らしいことだ。

はね蔓を詠みこんだ歌があるが、皆、性欲的な歌ばかりである。

鉢かづきの鉢こそがはね蔓であり、姫の放浪こそが「山篭り」の時期なのであります。鉢が割れたと言うことは、山篭りが終わり、神聖な成女戒が授けられたことを表しているのです。即ち姫は女(をんな)に成ることを許されたと言うことです。

この話に継母説話に長谷観音の霊験譚(たん)を絡ませ、最後に親子の血のつながりを諭しているのです。

この話を理解するには成女戒と成女戒の儀式を理解して、初めて鉢かづきの意味が分かるのです。

そして処女(をとめ)から女への変身劇的で、当時としては、とてもエロティックなものであったことは、万葉集「はね蔓」の4首を見ても間違いないと思います。これもやはり、寝所の御伽噺なのです。

したっけ。

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