高知発 NPO法人 土といのち

1977年7月に高知県でうまれた「高知土と生命(いのち)を守る会」を母体にした、45年の歴史をもつ共同購入の会です。

コーヒーの美味しい淹れ方&よもやま話 その1

2019-05-17 09:00:00 | 生産者からのメッセージ
高知市 はなればなれ珈琲の鈴木野歩です。

★ コーヒーの美味しい淹れ方&よもやま話 その1 ★

こんにちは。土といのちでのコーヒー豆取り扱いも早いもので12年くらいになる(はずの)はなればなれ珈琲です。
5月のコーヒー淹れ方教室への参加ありがとうございました。常日頃コーヒー豆は売るだけでは駄目で最後に
コーヒーを淹れる作業を適切に行ってもらわないといけない。そのためには淹れ方教室も定期的に開かなくては
と思っているので、コーヒー教室の企画を立てていただき感謝しています。今回は教室でお伝えしたことを纏め
てみます。


《 コーヒー抽出と蒸らし 》
 コーヒーの抽出方法には、ペーパードリップをはじめ、ネルで濾すネルドリップ、昔喫茶店で流行ったサイフ
ォンや近年普及しつつあるフレンチプレスなどいろいろありますが、大きく2分すると濾過するか浸けるかに分
かれます。浸けておくとお湯と粉が接触する時間が長くなり、旨味を阻害する雑味も一緒に抽出されてしまうの
に対して、上手くドリップすると旨味のみを抽出することができるのでやはり濾過する方が優れた抽出方法だと
いえます。
 コーヒーを抽出する際に一番重要なところが、初めに行う「蒸らし」と言われる作業です。あ、蒸らし、お湯
かけて少し待てばいいんでしょ。と、簡単に考えているあなた。外れているわけではないですが、問題はお湯の
かけ方です。
 なぜ蒸らしを行うのか?蒸らしとは何なのか?というところから考えていきます。土といのちで焙煎してさほ
ど日が経っていない新しいコーヒー豆を買って、それをミルで粉に挽いてお湯をかけるとぶくぶくと泡がでてき
て粉が膨らみます。これはコーヒー粉に含まれている炭酸ガスがお湯をかけることで外に放出されている状態で
す。ガスをしっかり抜くことで、その後にお湯を注いだときにガスに妨げられることなく、しっかりした味のコ
ーヒーが抽出できるようになります。蒸らしはコーヒー抽出の準備作業ということが言えます。


《 どのように蒸らせばいいのか? 》
 蒸らしの重要さを説いたところで、ではどんな風に蒸らしをすればいいのでしょうか。蒸らしはドリップの準
備作業なので、あまり多量のお湯をかけてしまっては準備のできてないコーヒー(薄くて旨味のないコーヒー)が
抽出されてしまいます。これでは駄目で、粉がまんべんなくお湯で浸されて、コーヒー液が適量落ちてくるくら
いが最適な蒸らしです。試しに蒸らし段階で抽出された蒸らし液だけを飲んでみるとわかりますが、じっくり丁
寧に抽出された蒸らし液はコーヒーの旨味が濃縮された上質なエスプレッソのような濃厚な味がします。この蒸
らし液をベースにドリップをすることで雑味のないおいしいコーヒーを抽出することができます。120ccのコー
ヒーだと15~25ccくらいの蒸らし液をベースにするとバランスのとれた味になります。あまり少ないと粉全体
が蒸らされているか不安ですし、多すぎるとパンチのある濃すぎる味になります。
 かける時間はまず30秒くらいてポトポト落ちてくるようにお湯を注いだあと、さらに30秒くらいかけて蒸ら
し液が適量になるように注ぎます。その後の抽出に比べて蒸らしの注湯は細く少ない量で行うことに注意してく
ださい。1~2杯くらいの少ない杯数を淹れる場合は、蒸らしをするときは点滴のような注ぎ方が理想です。
 蒸らし蒸らしで字数をとられてしまって紙幅がなくなってきましたが、大雑把に言いますと丁寧に蒸らしを行
いさえすれば後は多少テキトーにお湯をかけてもけっこう美味しいコーヒーができます。
とはいえ、一応コーヒーで生計を立てているコーヒー屋ですので、その後の抽出についても説明をしなければい
けません。そこは次回に続くということになります。

 今後、毎号連載の予定です。焙煎の話、生豆仕入れの話、生豆精製の話などいろいろ考えてますが、そのうち
に話題も尽きることが予想されますので、会員の皆さんからの質問もお待ちしています。暫しのお付き合いよろ
しくお願いします。

※ この記事は、NPO法人土といのち『お便り・お知らせ』2018年8月号より転載しました。

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