
【高知に戻ってきて】その5
田植え

お米作りの経験がある友人と共同なことが心の救いだが、この年にして田んぼを始めた。
機械はもちろんない。
それならとことん昔ながらのやり方で美味しい有機米を作ろうと思い、田植え体験も企画した。
泥に触れてみたかった、
子供たちへこの体験をさせたかった、
自分の小さい頃手伝っていた記憶が懐かしい。
色々な理由で参加者はすぐに集まった。
泥まみれで大声ではしゃぐ子供たち。
それを怒るもどこか優し気で、今日は許すかというような親の表情。
意外にも大人の方が真剣で細かな作業に没頭し黙々と田植えをする姿がみられた。

タイパ、コスパといわれる昨今、
AIに聞けばなんでもベストアンサーが即座に得られる時代に
おばさんの古臭くて押し付けがましい考えと思われてないかドキドキしていたがそんな気持ちが晴れた。
人から人へ、結局は人がいないとお米は作れない。
また稲刈りもみんなで集まろう。
それまで夏の間まで頑張ってお世話の毎日。
そしてまた来年も続けよう。
令和の米騒動、改めてお米のことを考えるきっかけとなった。
※ この記事は、NPO法人土といのち『土といのち通信』2025年6月号より転載しました。