オレンジ屋根のピエール

読書好きの覚書。(過去の日記は老後の楽しみ♪)

「虎の弟子」

2006-10-15 20:37:00 | インポート
ローレンス・イェップ 作
金原瑞人・西田登 訳  (あすなろ書房)

サンフランシスコ・中華街におばあちゃんと二人暮しの中国系アメリカ人のトム・リーは、その風貌と、変人扱いされているおばあちゃんのおかげでいじめの対象になっている。でもトムはおばあちゃんが大好きだ。おばあちゃんのことで悪口を言うものはゼッタイに許さない。

そんなトムに、ある日突然変わった客がやってきた。虎が人間に変身している!
実はトムのおばあちゃんは、ちょっとした魔法を使う。それはトムにも少しずつ教えられていたが、まだ人間の真の姿を見抜くという程度の技だけしか教えてもらっていない。

虎とおばあちゃんの話によると、おばあちゃんはある大事なものを守っている守護者であること、それをゆくゆくはトムに継いでほしいこと、虎はおばあちゃんの信頼する一番弟子なのだということ。
そして今、彼らは突然の最悪の危険にさらされてしまうことになる。

珍しいチャイニーズ・ファンタジーの登場です。
中国の昔から伝わる伝説をもとに、さまざまな妖怪たちが登場します。
その昔、世界の安定をつかさどっていた女王、ニュー・クワにはクンクンという懲罰を担当する大臣がいたが、あまりに厳しすぎて人間を意のままにしようと、フェニックスの力をつかって謀反を起こそうとするが制圧され、その一味の残党が時代をこえていまだ、雪辱を果たそうと企んでいました。

中国ではフェニックスは、邪悪な心を善に変えるといわれ、クンクンはその逆の効果を使おうとしたのです。
フェニックスは謀反が鎮圧された後、自ら卵に戻り、その卵を守護者と呼ばれる者たちが歴代守ってきたわけです。

トムはあまりに突然の話とあまりにすごすぎる危険に、初め臆し、虎(ミスター・フー)と離れようとしますが、次々と襲い掛かる危機にともに立ち向かううち、虎や仲間の龍・ミストラルやモンキー(いわずと知れた孫悟空です)たちとの間に友情が芽生えてきます。

はじめ話があまりに唐突に展開していくのと、登場人物の説明もじわじわとおこなわれ、最後もすっかり解決せぬまま終わるので、う~ん・・・慣れない内容ですね。
もしかしたら、続編が出るの?って感じで。
説明が済んでないものもあるし・・・。
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