VOICE OF BOSS

演劇プロデユーサーとして、主宰する劇団の今を日記風に。50年余の演劇との関わりの中で、少しは提言めいたことなど・・・

届けよう!子どもたちに笑顔と元気を!演劇の楽しさを!

2011-07-02 09:15:35 | 東日本大震災
われわれは、どう向き合え会えばいいのか。
  去る6月の25,26の両日、東北6県の子どものための舞台芸術2012年度企画会議が開かれました。場所は今年の当番地秋田県(横手市)でしたが、例年なら各地の演劇・人形劇・音楽・芸能の団体、東北各県にあるおやこ劇場・子ども劇場の人々が泊まり込みで子どもたちに夢を与える企画の会合が楽しく開かれるのですが、今年の様相は一変しました。まず、この会議が東北で開催できたことを喜び合うとともに緊急にそして息の長く子どもたちに笑顔と元気を届けるための舞台芸術の役割を考えるためのシンポジウムがメインとなる会議でした。被災地の人々の頑張りと福島原発の事故の恐怖が入り交じる中、今何をすべきか真剣な討論には胸を打つものがありました。
 それに引き替え、危惧することは、政治の状況は言うに及ばず、この震災に心が萎えている人、パニックになる人、心を現実の事態に対し前に向けられない人の多さです。とくに被災地でない人々は地理的温度差もさることながら長年の安穏な生活に慣れきってなかなか現実のものと受け止められなかったり、事態を見まい、心を閉じて逃げようとする傾向が見られることです。
 震災、津波、原発事故で一挙に風景が失われるということは、そこで生き生活していた人々がバラバラになってしまうことです。66年前、学童疎開、空襲、原爆で子供心にもそれまでの友だち、家族を失い、住む場所を失い、過ごした年月をも失った戦争体験者としての痛みとつらさに繋がるものがあります。
復興、復旧は日本人として果たさなければならない使命と思います。

 
 このような非常の事態は必ずや人間の意識を大きく変えるものと思います。とりわけ子どもたちは。子どもには未来があるからです。だからこそ、大人がすべきことは子どもたちの未来への道をサポートすることに尽きます。 

 
 今夏、8月の「はだしのゲン」の上演は、企画した一年前とはちがい、思いもよらぬ展開になったと今更ながら身の締まる思いがします。7月9日(土)に「はだしのゲン」出演者でヒロシマツアーを行います。舞台を成功させるために学び、体験することは人を成長させます。ぜひ多くの方々に見ていただきたいと願っています。