草津という街については、ただ有名な温泉街というようなそんな貧弱な知識しかなかったわけで、
こんなにもすばらしい空気を持った街であろうとは思いもしなかったわけで。
前夜になんともきらびやかで懐かしくも美しい街と、高級ホテルを堪能した我々は、レース当日もこれ以上にないという晴天に恵まれ、そんな幸せな環境の中、ツールド草津は開催されたのであった。
「がんばろう日本」色がこれでもか、というほどにおしだされる中、数千人規模の自転車乗りであふれる会場。
我々は、それぞれにいろいろなことを思い、残雪の美しい山を登ったのである。
自分としては、いまこうしてまた何不自由なく自転車に乗れるという幸せを少なからずも感じずにはいられなかった。いろいろがいろいろに折り重ねられてしんどい日々やけれど、このとてつもなく強く、美しく、文字通りナチュラルな自然の中に置かれては、
その美しいものにただ何もかも忘れさせてもらっている瞬間をもらった。
自分は、今回不参加のしんやの背中を思い登った。自分を抜かしていく速いやつを見つけては、そいつに食らいつき、追いつけなかったり逆に抜かしたりしたら、また新たな仮想しんやを見つけて食らいつき、を繰り返し登った。
結果として、まずまずのタイムでゴールできた。
練習不足は現実であり、たとえば沖縄のときのように自分の体の動きに満足することはできなかったが、それでも気力のみである程度登れたことに関しては、環境や仲間や、すばらしい大会の運営に感謝するとともに、やっぱり自分は登りが好きなんだなと思った。
前週にともにつくばを登っていたJIMについては、今回のタイム(48分)は俺からしては予想範囲内であった。
*つうかJIMはレース中に携帯写真を撮る余裕もあったそうで(笑)あほか。
前年の草津公式リザルトを見ていた限り、JIMは50分を切るであろうと思っていた。それゆえ、JIMとハタノ氏が前夜「目標は1時間切り」と言っていたことに少なからず疑問を感じていた。
自分ですら目標を1時間切りに定めていたのだから。
MAXは、不調ながら熱い走りだった。が、MAXの底力はこんなものではないはずだ。まず、後輩の俺なんかに負けて悔しがっていないMAXに疑問である。
俺てきには、なんというかもう少し追い込めたのでは、という中途半端な残尿感もどうしても持ってしまうが、今年の、というか永遠の目標である美ヶ原ではそんなことは言ってられないということをもっと自覚しなければ。
天候、運営、ロケーション、すべてがまさに「理想のヒルクライムレース」と言ってしまいたいほどにすばらしかったこの草津。
この経験を美ヶ原に繋げたいという気持ちである。
TIME 55分35秒61
順位 351位
トップとの差 18分05秒22
Av14.09km/h