新涼の風を背中に喘ぎつつ
登れば寺は人影もなし 樋田哲夫
楼門をくぐると直線に階段がある。熊野古道沿いにある第2番札所はほとんど人の絶えることがないが、午後も遅く名草山の中腹にある紀三井寺は人もなく珍しいことであった。遥かに新和歌浦や山部赤人の古歌で名高い片男波が傾く陽に輝いて見えた。
登れば寺は人影もなし 樋田哲夫
楼門をくぐると直線に階段がある。熊野古道沿いにある第2番札所はほとんど人の絶えることがないが、午後も遅く名草山の中腹にある紀三井寺は人もなく珍しいことであった。遥かに新和歌浦や山部赤人の古歌で名高い片男波が傾く陽に輝いて見えた。