山にうすむらさきの霞がかかったように、フジの花が咲き出しました。
毎年今頃になると、1本の木でたくさんの花をつけるのとか、花房がとても長いのとかがふじの名所として紹介されていますが、今まであまり興味がなかったのです。 嫌いというわけではないのですが、何となくぼんやりした印象で、わざわざ見に行くまでもあるまいとー。
でも、このフジの美しさには心を奪われました。 栽培されているものではなく、勝手に生えてきたものと思われます。 アケビと同じ、使われなくなったハウスのかたわらで咲いているのを見つけました。
花房は短めですが、ひとつひとつの花が大きく、紫の濃淡が調和がとれてとてもきれいです。 真ん中にほんの少し黄色が見えているのがまた、紫を引き立てています。
フジはその薄ぼんやりした花に似合わず、ほかの木の先の方までよじ登り、その木を覆い尽くすほど凶暴な植物だと思うのですが、この美しさは、その凶暴さを忘れさせてしまいます。
そしてもう一つ、まるでくす玉のようにびっしりと花がくっついていて豪華な花。
桐の仲間かな? 画面に入りきりません。
エミフルへ行く途中、見つけました。 後続の車が来てないことを確かめて道端に車を駐め、わざわざ写真を撮ってきました。 何枚も撮ってふと気がついたら、後から後から車がやってきて、後続車は動けないことに・・・・・ 申し訳ない状態になっていました。
カラスの巣があった桐の木も、うすむらさきのヴェールに包まれたようになっています。 もうそろそろカラスのヒナが生まれるころかな? どこからも丸見えだったカラスの巣は、 花に隠されて目立たなくなっています。 この花が枯れる頃には若葉が勢いよく茂って、巣はすっかり見えなくなるはずです。 カラスの子は安心して育つでしょう。 カラスってやっぱり賢い。
まるでつまみ細工で作った舞妓さんのかんざしのようでしょう。
小学生の頃日本舞踊の藤娘を発表会で踊ったこともあるんですよ~
毎年藤が咲く頃に春祭りがあったので、子供ごころに藤は楽しい思い出につながる花でした。
それから、息子たちの小学校では毎年「ふじだなおとぎ会」という行事が行われます。
満開の藤棚の下で、クラス毎に物語の暗唱をするんです。
父兄はござに座って聞くんですよ。風流でしょう?
学校に藤棚があるのもすてきですね。 子どもさんたち、とてもすばらしい環境で育ったんだなあとうらやましくなりました。母子で子どもの頃から美しい花に親しんでこられたんですね。