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争点の現場から:2006知事選/1 新幹線新駅 にぎわい呼べるか

2006年06月10日 | 毎日新聞
◇モデルケースの愛知・三河安城駅では人もまばら
 東海道新幹線で上りの「こだま」が名古屋駅を出発してわずか8分後、オルゴール音と共に次の停車駅、三河安城駅(愛知県安城市)の案内放送が流れてきた。駅に降り立ったのは金曜日の午前10時前。降りる人はスーツ姿の男性を中心に30~40人ほどだろうか。後続の電車でも降りる人を数えてみたが、下り電車で27人、上りでは19人とまばらだった。
 「お客さんはいつもこのぐらい。帰省ラッシュの時でも少し増えるくらいですよ」
 閑散とした駅構内の書店で店番をする女性が教えてくれた。
 三河安城駅は88年、駅舎建設費用約137億円の全額を地元負担し、交差する東海道線の駅と同時に開業した。安城市の人口は約17万人、面積約86平方キロで、どちらも栗東、草津両市の合計とほぼ同じ。工業と農業がバランス良く発展し、名古屋駅まで在来線で30分余り、ベッドタウン化も進む。多くの条件が栗東市に計画される「(仮称)南びわ湖駅」と類似し、県内自治体の関係者も「新駅のモデルケース」と口をそろえる。
 駅を出ると、数棟のビジネスホテルが目に入った。稼働率も高いそうだが、その奥にはマンションが立ち並ぶ。さらに目立ったのが立体駐車場。マンションの住人が月決め契約している場合も多いという。タクシー乗り場には十数台があふれ、電車が到着するたびに一台もなくなる。
 「みんな刈谷まで行くんですよ」と運転手。隣接する刈谷市には自動車関連メーカーの本社が多くあり、新幹線で来た人は、ほとんどビジネス目的で駅から遠く離れて行ってしまうのだという。駅周辺はにぎわいが感じられない。駅から少し離れると大きなショッピングモールもあるが、よく見ると幹線道路沿いに大規模な駐車場を抱え、明らかに車での利用者を想定した構造だ。
 また、名古屋駅から「のぞみ」に乗る方が早くて便利なこともありビジネス目的ではない住民は、在来線や私鉄で名古屋まで行ってから新幹線に乗るケースが圧倒的に多いそうだ。現在のJR栗東駅と、イメージが重なって見えた。
 「当初目指したのとは、全く違う街並みになってしまった」と安城市の都市計画担当者は半ばあきらめ気味に話す。開業当時、市は三河安城駅を「広域拠点」と位置づけ、商社などのオフィスが集まる地域として企業誘致などを進め、固定資産税や法人市民税の増収を見込んでいた。
 しかし、駅の開業とバブル崩壊が重なり、思うように誘致が進まない中、名古屋都市圏から近い在来線の駅前という立地に目を付けた不動産業者が進出し、マンションが急増。市が区画整理事業を行った駅周辺118ヘクタールの人口は、事業開始前の1300人から、目標を3割以上上回る8600人にまで増加した。その結果、周辺に小学校を2校新設するなど、想定外のインフラ整備が必要になった。
 新幹線駅の利用者数は、開業当初の1日あたり約3000人が現在約4000人と頭打ち。一方、在来線駅は約2000人から約1万人と大幅に伸び、新駅の経済効果は主に在来線に頼ったものだ。同市まちづくり推進課の山中詔雄係長は「商業ビルも昨年ごろから増え、心配はしていない。名古屋や大阪と同じようなまちづくりを目指すのは無理。三河安城も18年たってようやく姿が見えてきたところ」と、希望を捨てていない。
 南びわ湖駅の未来は、どうなるのだろうか。三河安城駅前で飲食店を営む男性の声が妙に印象に残った。「駅があって不便じゃないけど、客も増えないし、便利になったとも思わないね。滋賀の駅も20年後には同じようになるんじゃないの」
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