KIHAKU's blog

日々の記憶
建築家 筒井紀博のブログ

暮らしをデザインする

2005-07-20 12:18:40 | レビュー
現在、ツツイが読んでいる「暮らしをデザインする:宮脇檀著」に以前から不思議に思っていたことの回答が書かれていた。
(まぁ、大して気にもしていなかったが)

それは英語の「park」(公園)と「parking」(駐車)の関係である。

たまたまスペルが同じだったと思っている方、いないだろうか?
いやいや、これらには密接な関係があったのである。

アメリカの開拓期の頃、街作りの手法にヨーロッパで流行っていた公園道路を作ることがあった。
これは道路の両側を公園化し、道路そのものを公園のようにするといった手法。
住宅地なら道路の両側に塀を立てず、家を一定の距離後退させて建て、その後退した部分には建物を建ててはならず、公園のように美しく緑化すること、といった内容である。
よくハリウッド映画などで目にする道路から新聞配達の子供が新聞を各住宅の庭にポイッと投げる、まさにあの町並のことである。
そしてその後退して、緑だけが植えられている部分は公園化するための部分なので「park」(公園)と呼ばれ、人々が車を持ち始めて家の前のその部分に駐車するようになったこと、つまり「パークに車を置くこと=パーキング」となったらしい。

そしてこのパークのある道は、歩いていても確かに気持ちよい。
一歩はいると確かにそこは私有地なのだが、視覚的には共有の緑地でもある。

日本で真似をしようとしても、その敷地面積の関係上、なかなか難しい問題なのだが。

しかし解決策は多少はあると思う。
そもそも住宅街でそれほど広い車道が必要なわけではないので、その分、歩道を広くするだとか植栽帯を設けるだとか・・・各住宅などにおいても塀に制限を設けるだけでもかなり町並が改善されていくと思う。

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